- 2020年11月11日
令和の販売員心得 黒川想介 (34)「百戦殆うからず」の営業術「彼を知る」ための意思疎通
「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」とは、『孫子の兵法』に出てくるあまりにも有名なフレーズである。営業の世界にもまさにぴたりと当てはまる。孫子の兵法では有名な前述のフレーズに続けて「彼を知らずして己を知れば一勝一負す。彼を知らず己を知らざれば戦う毎に […]
「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」とは、『孫子の兵法』に出てくるあまりにも有名なフレーズである。営業の世界にもまさにぴたりと当てはまる。孫子の兵法では有名な前述のフレーズに続けて「彼を知らずして己を知れば一勝一負す。彼を知らず己を知らざれば戦う毎に […]
販売員にとってコミュニケーション力はとても大事である。特に、従来の成熟市場からにじみ出してくる市場の見込み客と関係を構築していくためには、コミュニケーションなしでは成功しない。にじみ出しの市場は、令和時代の経過とともにますます盛況になっていく。 した […]
女性の長電話などといって揶揄された時代があった。昨今では一概に、男性は寡黙であり、女性はおしゃべりであるとはいえない。それでも女性の方が男性よりおしゃべり上手であるといえるだろう。 男性は主張の強い人が中心となっておしゃべりの会話をリードする傾向があ […]
あるアナウンサーがラジオ番組の中で言っていた。「アナウンサーという職業はコミュニケーションが鍛えられる職業である。自由闊達なコミュニケーションが上手になって、人生が楽しくなる」。 営業という職業も、人と接し商いをする職業であるから、コミュニケーション […]
颯爽と街を歩く若い女性たちは、大きめのバッグを肩にかけているのが目立つ。昭和の若い女性たちが颯爽と街を歩く時には、小さなハンドバッグを手に持ったり肩にかけたりしていた。その小さなハンドバッグの中には、周囲にみっともない姿をさらさないように身だしなみを […]
新規の見込み客へのアプローチは、売り込む商品や扱い商品に頼ってはいけないと再三言ってきた。初回のアプローチの段階では名刺交換が終わり、着席して簡単なこなしの会話の後、相手が黙ってしまうと販売員はなすすべがなく焦ってしまい、どうしても商品に頼らざるを得 […]
機器部品営業は、市場の環境に応じて営業のやり方を変えてきた。これまで述べてきたように、黎明離陸期ではまだFA市場は未成熟であったから、市場を模索する市場探索型営業であった。 昭和の成長拡大期には、工場や現場の数が増え続けていたからその現場の隅々に、次 […]
大手の販売店は資金が割に潤沢であり、マーケティングスタッフを抱えることができる。したがって、戦略的に種々の手を打って令和時代の成長路線を進めることができる。 しかし、大半の販売店はマーケティングスタッフを抱える余裕はなく、販売員の営業力強化や多少の販 […]
人間社会は太古の昔から、変化を続けて歴史を作ってきた。社会の変化にはモノが伴う。モノそのものやモノの造り方も変化してきた。変化すれば新しい需要は生まれる。機器部品の営業は、モノやモノ造りに関係あるマーケットが戦場である。その戦場で活動している経験の浅 […]
成長拡大期であった1980年代後半に、販売員が持ち歩く営業カバンが重くなったという論議があった。もちろんカバン自体が重くなったわけではなかった。業界の黎明離陸期には当然、商品の種類は少なくて、カタログを全部入れてもカバンは重くなかった。 生産設備やラ […]
テレビコマーシャルで有名になったクラウド名刺管理サービスという事業があるように、ビジネスの社会では名刺は欠かせないものである。受け取った名刺の枚数が多いということは、それだけ多くの人に会ってきたということになる。 機器部品業界の黎明期や離陸期には販売 […]
昭和の拡大成長期に「愛のフットワーク作戦」という拡販活動があった。これまで述べてきたように、昭和の拡大成長期は、工場が増えて新しい機械装置やそれらを使った生産ラインが次々と誕生すると、それらに使う新しい機器や部品の種類も増えた時代だった。 そのような […]
ネットの発達によって、技術者は販売員に頼らずとも必要な時にネットで済むと言われてきた。しかし、こういった技術者は製品開発技術者や製品設計技術者であり、製造関係の設備技術者、製造技術者、生産技術者のように製造現場関係の技術者は意外と簡単に販売員を頼る。 […]
平成も後期にはIT技術の実用化が進み、社会システムや社会インフラが大きく変わり始めた。産業設備を主力のマーケットにしている機器部品営業は、社会の変化の割にはその売り方に大きな変化は見られない。 世間で言われている失われた20年が、国内の製造業に与えた […]
鳥は空を飛ぶのが天職である。魚は水中を泳ぐのが天職である。これに習って言えば、人間はつくるのが天職と言えるようだ。人は制度や組織や色々なものを常につくり続けている。 機器部品営業が係わる産業用や業務用の製品をつくり出す現場でも、色々なものがつくり続け […]
1980年代に入ったばかりの頃は、機器や部品営業にとっては昭和の成長拡大期の真っ只中であった。その頃の営業の基本的なスタンスは「売り上げは客先訪問の回数と客先滞在時間に比例する」というものであった。「とにかく客先へ行け! 社内に居るな!」という雰囲気 […]
友達同士の会話で「今、何をしているの?」「今は営業をやっている」と気軽に受けて、気軽に答えている。かつて営業のことを販売と言うのが当たり前だった頃に、同級会などで会った友人に「今、何をしているの?」と尋ねられ「営業をやっている」と答えると「営業って何 […]
昭和期に活躍した機器や部品業界の販売員が、平成の頃によく言っていたことがある。「最近の販売員は新規開拓ができなくなった。我々の若い頃は工場と見れば飛び込んで、新規開拓をしたもんだ」。 今となっては飛び込み訪問などというのは化石のような古い話である。し […]
人は人と顔を合わせて話を交わす時に、それが短時間であっても相手を評価・判断する。それも無意識に、大ざっぱに3種に分けている。 一つ目は、自分となんとなく馬が合う感じを受ける。二つ目は、極端に言えば顔を見るだけでも声を聞くだけでもいい気分になれず、あま […]
1960年代に制御機器や部品販売の教材となった小冊子があった。筆者はアメリカの墓売りセールスマン、ウィリー・ゲールであり、タイトルは『販売心理術』であった。墓売りの彼が墓の商談に持ち込むためにまずやらねばならないことは、相手の素性を知ることであった。 […]
これが究極の売り方だ、なんていう売り方は機器部品の営業にはあり得ない。平成期の中頃に、そのような売り方があると錯覚した営業人がいても不思議ではなかった。機器部品の売り方は、一般の営業とは多少違った特色を持っているからそのような発想が生まれた。日本の製 […]
営業部門に配属になる人は学卒の新人だけではなく、他部門から転属してくる人もいる。最近、途中入社の販売員も多くなった。途中入社の販売員の中には営業経験者だけでなく営業未経験者もいる。営業経験者の中にも、同じ機器や部品業界から来た人もいれば、全く違った業 […]
いつの時代も顧客を増やす新規開拓という営業活動は、販売員の重要な任務である。昭和時代には、飛び込み訪問が新規開拓の主流であった。工場と見れば入って行って、成功したり断られたりを繰り返した。 現在の環境では飛び込み訪問のできる時代ではない。かつての飛び […]
機器部品の販売員が普段の訪問活動で面談の対象にしている人には二種類ある。資材購買の人と設計や製造の技術者である。 資材購買は商材を買う立場である。販売員は商材を売る立場である。各々の立場が違ってはいるが両者は同質である。だから会った瞬間から、資材購買 […]
これまで述べてきたように、販売員にとって客という概念には二種類ある。少し詳しく考察してみる。 一つは、顧客といわれる人やグループであり、もう一つは見込み客といわれる人やグループである。顧客は販売店との間に信頼関係ができているから、①アポイントを簡単に […]
制御商品の販売員は販促ツールを携行している。特に新規見込み客開拓をする時は、念入りにツールを選ぶ。機器や部品はかなり多くの種類があり、サンプル、カタログ等の資料や動作モデルなど多様である。 製品、製造業の成長拡大期はさまざまな制御商品が誕生し、マーケ […]
販売員が、見込み客への訪問にこぎつけて名刺交換をした後、どのような会話の流れになるかを販売員に聞いてみると、ほとんどが自社の案内から入ると答えている。次に多いのが、今、売り出しの戦略商品や新商品が人気なので紹介しに参りましたというように商品紹介から入 […]
世に出ている人物伝やサクセスストーリーなどには、ある人の言葉で気付かされたり、人生が変わったという記述が必ずと言っていいくらいに出てくる。また日本人は言霊信仰のようなものを持っているから、言葉をおろそかにすることはない。それほどに言葉は大切に思ってい […]
営業は「売れていくら」の前に「顧客をつくっていくら」の世界である。リピートの多い制御機器や部品の販売員はこの事を忘れている。顧客からのリピート受注や、成長期からずっとやってきた新商品や戦略商品の売り込み活動、あるいは昨今よく言われているエンジニアリン […]
販売員が見込み客に初回訪問した時の一般的な情景は、丁寧な所作で名刺交換をした後に着席する。ここから二つに分かれる。 一例は、販売員が先に口火を切る。内容は自社の案内であるか、その時に力を入れている商品のことである。つまり商品やサービスに関することであ […]