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令和の販売員心得 黒川想介 (48)

かつて営業と言えば、訪問販売のイメージがあった。訪問販売とは客先を1軒1軒回って、商品を売り込むことである。自動車などの耐久商品や複合機などの業務用商品も訪問販売で売られた。今やこれらの商品は集客や宣伝広告による販売促進型営業になっている。一般のコンシュマーに向け商品は、店へ集客から通販型販売に移行し続けている。中間財である機器部品の営業も通販型営業が増えているが、機器部品営業が相手にする市場はコンシュマー向け商品のような大規模市場ではない。それに電気的な技術要素の必要なことから市場であるから、まだきめ細かな客先訪問型営業が主力となっている。

 しかし近年、機器部品は規格化やデジタル化が進んで多くの商品は最寄り化しているため、販売員が客先訪問して商品説明や使い方の説明をしなくてもよくなった。その結果、通販型営業でも売れる商品が随分を多くなっている。それでもまだ訪問型営業が盛んであるのは、顧客側から見て販売員が介在する部分が多いと言うことになる。

 販売員の訪問先は技術部門である。技術の世界は日進月歩である。技術者は常に新しい技術に挑戦して新製品創出を続けている。そのために貪欲に情報を欲しがる。ネット情報に絶えず目を配っているが、販売員が時として持ち込む情報にも目を光らせている。

 現在は何でも繋いでしまう第4次産業革命時代と言われている。現在の機器部品業界は、コンピュータコントロールの第3次産業革命時代に大発展した。その成長期に新しい商品が次々に生まれた。新発売した商品情報を顧客に届けたのが機器部品の営業であったから、技術者は商品を売り込みに来る販売員に会いたがっていた。

現在、第4次産業革命の時代に入って、第3次産業革命で生まれた機器部品は技術者にとって好奇的な魅力ある商品でなくなっている。その上、従来商品は簡単にネット検索できるから、なお更昔みたいに販売員に会いたいと思わない。それでもまだ訪問型営業は健全だ。顧客が販売員の訪問を受け入れる理由がいくつかある。①配信システムなどのネットサービスがまだ初期の段階である②技術者が多少の余裕のある時に、新商品のトレンドを聞いておいてもいい③技術者仲間では多少のマンネリがあり、孤独になる時もある④時に、次世代型の商品情報や面白い情報が聞けるかもしれない、などがある。

現在、販売員が会っている技術者は保全、改良、リニューアルを専らとする製造現場型技術者と、機械装置・機器類の設計や情報システムなどの設計をするデスクワーク型技術者の2系統である。

今後ますます技術者の働き方改革やテレワークが盛んになってくれば、これまで販売員がやってきた訪問営業のやり方は少しずつ変わるだろう。製造現場型技術者は日常の仕事に絡んで何かと販売員に連絡してくる場面が多いから、割と良好な人間関係を保つことができる。だから時々訪問して、新商品や戦略商品の売り込み訪問ができる。しかし、デスクワーク型の技術者は前述の通り、第3次産業革命時代で生まれた機器部品を使う際には、実績やネット検索で済んでしまう。販売員に合う機会が少なくなるから良好な人間関係ができない。そうなると、売り込み活動のアポ取りは困難になる。訪問販売にとって、関係づくり機能は欠かせないのだ。関係づくりで最初の突破口になるのは、『つかみ』である。見込み客気持ちを捉えて少し話を聞いてみようと思ってもらうことである。その様な『つかみ』を短期間に身につけるのは難しい。顧客が販売員に会わない時間に何を考え、どんな仕事をしているのかを日頃から耳を傾けて聞いていれば、『つかみ』のセンスは上がるだろう。

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