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人は休めば治る。機械はそうはいかない 安心して動き続けられる仕組みを

人というのは優れたもので、疲労やちょっとした怪我や病気であれば寝て休んでいたら治る。完全に元通りとは言わないが、ある程度までなら治ってしまう。この自然治癒力は生物しか持たない特殊能力。体中のさまざまな細胞が機能しあって自発的に健康な状態に戻していくというのだから、本当にすごい力だ。

機械を構成する金属や樹脂等の部品は、長く使っていると疲労し、少しずつ形を変え、いずれ壊れる。特にストップ&ゴーを繰り返す駆動部は、どんなに精密に噛み合っていても、何百何千回と毎日繰り返すことで摩耗して変形し、挙動がおかしくなり、振動や異音を発生し、最後は壊れる。構造上、経年劣化は避けられない。そして悲しい哉、その疲労や摩耗した部分は休ませても回復しない。再び性能を取り戻すには交換しかない。そのため機械による自動化は、保守・メンテナンス、保全の体制があってこそ成立する。だからこそ壊れそうな部分を減らすと同時に、保守を任せる保全部門を拡充させることが大事なのだ。

フィジカルAIの代表例としてヒューマノイドロボットに注目が集まっている。人に置き換わって作業をするものとして期待は大きいが、人に近づけるほど、負荷がかかり、故障の原因となる関節部と駆動部が増えていく。人は自然に治るが機械は治らない。現実の生産工程を任せるには、どれだけ長く動き、壊れた時には簡単に交換や修理ができ、それを支えるサポート体制の充実が必要だ。産業用ロボットをはじめ、産業機械は長年、そのための苦労を重ね、仕組みを構築してきた。だから安心して使うことができる。新たなフィジカルAIたちはどうだろう?いっとき動くだけでは話にならない。最低でも減価償却が終わるまではしっかり働いてもらわなければならない。それが産業用途というものなのだ。

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