昔はいたるところに田んぼがあり、この季節になると水が張られた田んぼで大量のおたまじゃくしが泳いでいた。夏休みが終わる頃には、足が生え、小さな子カエルになって陸に上がってくる。カエルは最も身近なところで生き物の一生、成長を見せてくれる貴重な生き物だった。しかし最近はめっきり姿を見かけなくなった。
カエルは私たちにとって身近な存在で、多くの文学や芸術作品等にもよく登場する。例えば日本最古のマンガとも言われる鳥獣戯画、踊っているカエルは有名だ。またグリム童話のカエルの王様。カエルに変えられた王子様と姫の話で、こちらも聞いたことがあるだろう。松尾芭蕉の「古池や 蛙飛び込む 池の音」は言うまでもなく日本で一番有名な俳句だ。また比喩表現としても、「茹でガエル」「井の中の蛙 いまだ大海を知らず」「蛙の子は蛙」など、おなじみとなっている。最近でも「蛙化現象」なども流行り言葉となった。いずれもどちらかと言うとマイナスイメージがだが、これも愛嬌と気味悪さが同居するカエルだからこそ。とは言え、カエルは金運や交通安全などの縁起物でもあり、カエルを模した人気キャラクターも多々あり、愛されている。ホント憎めない存在だ。
原点に”帰る”、考え方ややり方を”変える”、顧客の声に”返る”、新しくより良いものに”代える”、自然に”還る”。殻を破って”孵る”。こじつけではあるが、この「かえる」という3文字は、いまの日本の製造業の足りないもの、やるべきことを包括している。転換期を迎えている今、変わらなければいけないのは当然だ。しかしどこを目指し、どう変わるのかをの指針は創業や開始当初の思いや考えにヒントがある。そこに立ち戻ることが大切だ。「かえる」が実現できれば、後ろ足で地面を蹴って大きな飛躍が期待できる、カエルのように。そして状況をひっくり返すのだ。





