地上最高の速さを誇るF1。とは言え、そこにはレギュレーションという枷がはめられ、技術を制限している。最高に速いが、まだ速くできる要素をいくつも残している。モータースポーツであり、興行が成り立ち、盛り上がるようにルールを設けるのは当然だが、その枷を外したらどうなるのだろうか?
レーシングゲームの「グランツーリスモ」が、F1チームのレッドブルレーシングと協力して、究極的に速いマシンを本気で開発するというプロジェクトがあった。そこでは現役のF1のトップエンジニアが本気で設計し、最高速度400km/hオーバーで、コーナーも地面に吸い付くようにノーブレーキで駆け抜けられるという信じられない化け物マシンを完成させた。あくまでゲーム内で再現したものではあるが、コースタイムは1周あたりF1より20〜30秒速かったとのこと。しかし速すぎる故の欠点もあり、最大横加速が戦闘機並の8.25Gに達し、ドライバーが運転中に失神する恐れもあるそうだ。これでは到底、人は乗せられないし、走らせられない。そんなマシンばかりでは興行も成り立たない。そう考えると、一定のレギュレーションやルールは必要であると感じる一方で、人の身体が限界の壁になっていることに気づく。
これまでの工場や製造現場は、人が作業することを大前提に考えて作られた。だから設備のレイアウトも作業内容もすべて人に合わせていた。しかしAIやロボット、自動化技術が進化した今、現場からは人が減り、人でなければできない、人を代替できない領域も少なくなってきている。今後、人から装置、ロボットへの流れは加速して、現場の主役が機械になっていくと、限界点は人ではなくなっていく。そうなると限界突破の芽が見えてくる。「人」の制約がなくなった時にはどんな工場や生産設備になるのだろうか。妄想が止まらなくなりそうだ。





