真っ当なものづくりが評価される時代の到来 揺れる世界に日本の安心感を提供する

最近はスーパーに行って野菜を買う時、「私が作りました」「生産者:A市B町○○○○」といった、いわゆる生産者の顔が見えるものを選びがちだ。珍しくもなく、ブランドでもないごく一般的な品種であり、特別味が良いわけもない。また別にその生産者を知っているわけでもなく、思い入れがあるわけでもない。量が多いわけでなく、価格は高いかもしれない。でも、なんとなく手が伸びてしまうのだ。

なぜ生産者の顔が見える野菜を買ってしまうのか?答えは単純。顔と名前が出ていることが人を安心させ、食べた時の期待感を持たせるからだ。顔と名前を出しているくらいだから味には自信があるのだろう。もっと言えば、何かあった際には責任を取る覚悟ができている、プロセスがしっかりしている証でもある。その人がどのような手段と手順で作ったかまですぐに辿り着ける。いわゆるトレーサビリティが効いていて、そのあたりが安心感や信用、価値につながり、消費者の手を動かすのだ。モノからコトへ。ストーリーを語り、ラベルを付け替えるだけで商品の価値は大きく変わる。キチンと実直で正直な生産をしているからこそできる術だ。

かつては日本製、メイドインジャパンは、何も語らなくても価値があった。しかし生産を海外に出し、他国でも似たようなもの、同等のものが作られ、流通するようになってその価値は落ちた。しかし世界が不安定さを増し、多くのリスクが顕在化し、調達不安や生産停止が身近になった今、真っ当にものづくりをし、商売をする日本という国の安全性や信頼性、信用にスポットが当たり始めた。うまくやれば、生産の国内回帰という夢物語、絵に描いた餅が実現できるかもしれない。日本の製造業を取り戻すチャンスの到来だ。

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