令和の販売員心得 黒川想介 (101)現場により変わる「見える化」主管部との人脈づくりが重要

販売員の最大の関心事は売上である。売上を上げるために新商品等のカタログを持って顧客をぶらりと訪問する。何か商談テーマはないかと探りを入れる。この様な顧客訪問ができる販売員は顧客とパイプが割に太い販売員である。テーマを探しに訪問するのであるからそこそこの規模の顧客であり売上は期待できる。しかしカタログ持参でぶらりと訪問して何かテーマはないかと聞くような営業は既に古い型の営業である。この様な営業が功を奏したのは普段、販売員が会っている現場の技術者が現場の生産性を上げるために作業者の意見を積極的に取り入れて動いていた時代の事である。現場が強いと言われていた日本産業の全盛の頃だったから、販売員に何かテーマはないかと問われると抱えていたなにかしらの議案事項が話に出たのだ。現在の製造現場はその頃のような生産拡大の時代ではないから生産設備の増設は少ないし人手に頼ってる個所は残っているが自動化しようとしてもペイしない個所が多い。主たる製造設備の自動化は既に成されている。だから現場の技術者は設備の補修・改善・リニューアルや生産機種に合せて対応する改造が主たる仕事になっている。したがって販売員が資料を持ってぶらりと訪問してもそれ程の効果はない。現場が変りだしたのはIT技術が現場に入り出し、第四次産業革命などと言われ出してからだ。そこでは理想の現場が示されてはいるが潤沢な資金の下でゼロから作るわけではない。既存の設備を第四次産業革命の製造現場にするのは大変困難な事だ。多くの製造現場はFA技術で装備されているが現在のようにFA化されるまでには20年位かかっている。当時と比べれば資本は潤沢であるが現場のIT技術化が目論見通りになるまでは相当の時間がかるものだ。昨年、そこまでの通過点として見える化を推進する現場は多くなった。そこでデータを取りたいという案件がふえている。データーを取りたいという案件は以前にも話した通り、異状を見つけたらFA技術でフィードバックさせるためのものではない。人、設備、時間等の資源の最適化をするためのフィードフォワード的な発想から来るものである。FA化全盛の頃の営業活動では種まきと称して先々の設備投資に向けた新商品PR活動が活発だった。今後長時間かけて第四次産業革命の現場にするために始まったのが見える化推進であるなら、先々の設備投資に向けた種まきとしてどの様な営業活動が必要なのかを考えなければならない。従来FA技術でやってきた製造現場に情報技術が入ってくるのであるから、現場の様子はかなり変ってくるのだろう。見える化の推進から始まった第四次産業革命的現場は一体何を見える化するのだろうか。現在、現場が始めたデーター取りの案件のみではないはずである。工場内で稼働する機械装置やファシリティーの全てが順調に動いている事は稀である。どこかの個所で動きが悪くなったり故障して止まってしまうものなのだ。他にも作業者のミスで流れが悪くなったり購入部材不足や仕掛かり品の異常などで生産効率を下げてしまうことは数々ある。数々ある生産効率を下げてしまう原因をまずは見える化することころから始めているのだ。機械設備の見える化は販売員が付き合っている製造技術者の得意とするところだが作業者の見える化や部品・入庫・在庫・仕掛かり品等の物の見える化は誰が旗を振って推進していくのかは顧客の現場によってまちまちである。したがって令和の種まき営業とは各々の主管部の人脈をつくるための活動全般である。特に新規顧客を作る時の基本動作を身につけることが重要である。

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