- FA業界・企業トピックス
- 2024年8月6日
主要エレクトロニクス・FA商社 2025年度決算 AI、半導体、住設環境は好調 FAは回復途上 稼ぐ力の強化は商社でも M&Aによる業界再編にも注目
主要なFA・エレクトロニクス商社の2026年3月期決算が出揃った。半導体をはじめ各種製品の価格上昇による効果に加え、メーカー筋と同じく、各社で「稼ぐ力」の強化に向けた経営改革の成果が出ており、売上高、純利益で過去最高を更新するところが多く見られた。一方で、M&Aによる事業の動きも活発化しており、さらに業界再編が進みそうだ。
半導体・デバイスを主とする商社は、AI需要の盛り上がりとともに価格上昇の追い風を受けて堅調。マクニカHDは売上高が初めて1兆円の大台を超え、加賀電子は半導体の供給不足に対応したスポット販売で400億円超を計上。トーメンデバイス、レスターも好調を維持した。
M&Aによる業界再編が進んでいるのも半導体・デバイス商社で、リョーサン菱洋HDは、経営統合から2年をかけ、2026年4月から事業会社であるリョーサンと菱洋エレクトロニクスが合併して活動を開始。加賀電子は、27年度にグループ売上高1兆円達成に向けてM&Aに積極的な構え。25年度に子会社化した協栄産業に続き、新光商事にも買付総額459億円でのTOBを実施。新光商事は賛同を表明し、完全子会社化する見通しだ。このほか萩原電気ホールディングスと佐鳥電機が経営統合してミライニHDとしてスタートしている。
25年度に事業環境が良く、堅調だったのが空調やエネルギーなど住宅設備、環境設備関連。山善は、給湯器や空調設備が好調で、YUASAも住環境分野が伸長。因幡電機産業は、電設資材事業で大都市圏の再開発や工場、データセンタ向けの納入が好調に推移。RYODENも、冷熱ビルシステム事業で、職場環境改善や暑熱対策に向けた空調設備や、産業用蓄電池などエネルギー設備が堅調となった。
一方で、FAは回復途上にあり、本格化はこれから。因幡電機産業は、製造業の設備投資の持ち直しによって制御機器や電子部品の販売が増加。サンワテクノスは、設備投資の減少や手配調整の一巡、AI関連の設備投資の増加によって需要は堅調に推移。カナデンは、データセンター需要の増加により制御盤・サブコン向けビジネスが堅調だったが、一部製品で在庫調整の影響が継続。たけびしも同様にAI関連需要で堅調だったが、在庫調整の長期化の影響が若干残った。明治電機工業も半導体と物流関連の需要は底堅かったものの、自動車業界の研究開発向けの投資抑制を受けた。スズデンは、受注環境は緩やかに回復に向かいつつも、回復時期の遅れなどの影響が出た。
EC各社は、それぞれ特徴的な動きで成長を継続。ミスミは、meviyやエコノミーシリーズ、D-JITなどデジタルモデル施策が成長を牽引し、ミスミブランド以外の他社製品も含めた流通サービスのVONA事業が堅調に推移。MonotaROは、事業者向けネット通販事業、購買管理システム連携の両事業ともに新規客獲得と既存客への浸透と拡大をさらに強化。トラスコ中山は、在庫アイテム数62万アイテム、在庫金額681億円の在庫戦略を強化し、「ニアワセ+ユーチョク」(荷物詰合わせ+ユーザー様直送)などサービス拡充と利用促進によって売り上げが拡大した。