拡大する韓国FA市場 中国、日本に次ぐアジア3位の規模

韓国のFA市場は米国、中国、日本、ドイツに次ぐ規模に成長しているが、サムスン、大宇、現代、SK、LGの5大グループが設備投資を増やす一方、中小製造業の育成にも政府が積極的に取り組んでおり、市場の拡大が予測されるなかで、日本の半導体製造装置や素材メーカーが韓国で生産拠点を開設するなど投資が増加している。拡大する韓国FA市場に対し、地元韓国企業のほか欧米企業、日本企業、台湾企業などが販売攻勢をかけている。日本のFA制御機器・駆動機器メーカーにとって見逃せないアジア3位の市場を、4月初旬に開催のFA総合展「Automation
world
2012」から韓国のFA動向を探ってみた。 韓国は2008年8月、30年までの国家エネルギー基本計画を発表した。エネルギー効率を年平均2・6%改善し、化石燃料への依存率を06年の82%から30年に61%まで引き下げる。また、09年7月には、107兆ウォンを投入し20年までに世界7大、50年までに5大緑色強国入りの計画を発表した。

経済に関しては6大分野22新成長エンジンを成長の推進役に取り組みを始めている。

成長エンジンの一つである半導体は、システム半導体の国際競争力の確保、装置・材料の国産化などを支援する。ロボットについてはロボット需要の創出、研究開発および事業化を推進する。グリーンエネルギーでは太陽光、風力、LED、水素燃料電池、エネルギー貯蔵技術などの生産額を12年に170億ドル、輸出額130億ドルに育成する計画を実行中である。
昨年の輸出額18・7%増

韓国は貿易立国といえる。昨年の輸出額は5537億ドル、前年比18・7%の大幅な伸びを示した。輸出先は中国、米国、EU、日本、ASEAN、中東、中南米と多角化している。FTAを重要な通商政策に掲げている。

11年の日韓貿易の状況は、日本では韓国との貿易額が中国、米国に次いで第3位であるが、韓国では中国に次ぐ貿易相手国である。

日本の対韓投資は07年の9・9億ドル以降、08年14・2億ドル、09年19・3億ドル、10年20・8億ドル、昨年は22・8億ドルと上昇している。とくに、半導体・素材の中間財と製造設備の資本財関連企業の韓国進出が目立っている。

アドバンテストはメモリ半導体とシステムオンチップテスト・ハンドラ事業を韓国子会社に移管し400億ウォンを投じて工場を建設している。また、東京エレクトロンの現地法人もプロセッサー技術センターを建設。日立国際電気の子会社である国際エレクトリックも昨年、工場を増設している。

素材メーカーも進出に拍車をかけている。戸田工業はサムスン精密化学工業と合弁で昨年、生産工場を建設。東レは東燃ゼネラル石油と合弁会社を設立し今年下期にリチウムイオン二次電池を量産する。このほか、旭化成、三菱化成、住友化学などが合弁や単独で生産拠点を建設するなど活発である。

これら積極的な設備投資は、サムスン、大宇、現代、SK、LG各グループへの供給を狙ってのもの。サムスングループはスマートフォン、半導体、有機ELなどに重点的に投資し、SKグループもハイニックス買収により投資を増やす。現代自動車も世界シェアアップに取り組み生産増強にある。
海外進出の支援策を強化

韓国政府は大企業から裾野の中小製造業の育成へ比重をかけ始めている。とくに、中小部品・素材メーカーの新規事業の推進や海外市場進出の支援策を強化している。海外M&A支援事業にも乗り出した。

大企業だけでなく中小製造業の設備投資も盛んになるものと見られている。

こうした活発化するFA投資に対応し、国内外のFA機器・システムメーカーは顧客開拓に意欲的である。
FA総合展で積極PR

4月に開催のFA総合展「Automation
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2012」は韓国企業のほか日本、台湾、中国などのアジア、欧米企業が積極的にPRしていた。

韓国企業はオートニクス、ハンニャンの大手制御機器メーカーやIOリンク、LSIS、MARO
ROBOTなど専門メーカーが多数出展。

日本メーカーはパトライト、パナソニックなどが直接出展したほか、アズビル(旧山武)、横河電機、三菱電機、東洋電機、ユニパルス、日立、シチズン、コニカミノルタなどがDonghwaオートメーション、世奉、サンハイテックなど地元の代理店を通じて出展していた。「日系企業への売り込みは当然ながら地元の企業にも高機能・高品質をアピールしている」が反応は予想以上という。また、「初めて代理店から市場調査を兼ねて出展した。会期中1000部のカタログを配布したが、高機能タイプに関心が集まっていた」など日本企業も意欲的。日本電子機器輸入協会は日韓ビジネスマッチングに取り組んでいた。本紙も会場で最新号を配布。

欧米メーカーはシュナイダーエレクトリック、ABB、エマソン、EAO、ハイプロテック、JINテックKOROBO、P+F、フエニックス・コンタクト、リタール、シュロフ、ジック、ワイドミュラーなどが出展。日本法人が韓国市場を担当する会社では「海外安全規格の取得、グローバルサービス体制の確立などの有利さを強調している。サムスン、現代自動車など設備投資額が大きく、日本より期待できる」と見ている。

台湾、中国からはADCシステム、アドバンテック、Bパワーなどが出展。

日本企業は高品質・高性能を前面に出し、韓国企業は価格・性能と地元の有利性、欧米企業はアプリケーションや海外規格、海外サービス網を強調。台湾、中国企業は価格競争力をPRと、それぞれ特色を打ち出している。

フィールドバスでは、MECHATROLINK、ODVAが出展。MECHATROLINKは「機械メーカーに理解してもらうのが目的。技術セミナーを年1~2回開いていることもあり、毎年採用企業が増えている」という。
韓国に工業会が発足

現在、FA制御機器・駆動機器市場規模は推定別表の通りであるが、センサーは高性能近接センサー、汎用光電センサーの需要が大きい。セーフティセンサー、ビジョンセンサー、防爆センサーも増加傾向にある。ビジョンセンサーでは韓国で工業会が発足し普及に乗り出した。

産業用ロボットは単純な繰り返しから、製品の電子図面情報をプログラムに直接変換する技術や直接教示技術が注目されている。

PLCはモーション、ロボット、CNC、ITなどの専用分野に汎用PLCの普及が進んでいる。また、小型化ニーズが強まっている。

HMIは制御情報の表示から生産履歴情報、生産管理機能まで拡大したニーズが出ている。

サーボモーターはイーサネット方式の通信プロトコルを使用するモーションコントロール領域に拡大。小型化、検出器の高性能化も目立つ。

韓国のFA市場の拡大予測に伴い、国際的な販売競争がより一層激しさを増しそうである。

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