黒川想介 の検索結果

ディーラーヘルプを考える 黒川想介 (51)

戦略性のある時間配分を 守りより攻めの営業が重要 営業マンが携帯電話を持つのが常識になったのは、日本のGDPが500兆円を達成した頃である。携帯電話は、営業効率に多大な貢献をしている。便利なものは、得てして当初は嫌われる。 例えば19世紀の英国では、機械が労働者の仕事を奪うと言って、ラッダイト運動(機械破壊運動)が起きたことや、この業界でもシーケンサーが発表されたばかりの70年代には制御盤製作をなりわいにしている業者の人たちの間では、配線工数をお金にできなくなるという理由で嫌う傾向にあったことなどは、現在の便利さを考えると驚きである。 携帯電話より少し前にポケベルの時代があった。営業マンはひと…


ディーラーヘルプを考える 黒川想介 (50)

サービスも戦略性が必要 営業マンの時間過剰は要注意 日本では、おもてなしという言葉が流布していることでもわかるように、サービスの文化をつくってきた。この文化は日本人の真面目さや勤勉さの表れであると言われている。 昨今、この真面目さや勤勉さがあだとなって、サービス過剰になってしまうというケースが多々みられる。「衣食住足りて礼節を知る」という故事があるが、足り過ぎると副作用が起こるらしい。 競争社会の中では、サービスは一つの勝ち抜く手段である。先手を取った企業は余裕をもって、サービスを充実させる。業界が成長すれば参入社は増える。参入社は、低サービスだが低価格でシェアを奪いにくる。シェアの減少を防ぐ…


ディーラーヘルプを考える 黒川想介 (49)

大切なコミュニケーション力 有効な教育や指導の開発が必要 販売店は顧客次第で大きくもなれるし、沈みもする。販売店は当初から顧客が多数あったわけではない。販売店にも創業期があった。 創業期の営業は、とにかく顧客をつくるのに腐心した。一軒一軒と顧客ができる度に喜びを感じた。そのような時代の営業は、顧客満足営業や課題解決営業に力を入れるという考えはなく、ひたすら顧客開拓営業に邁進した。 現在、創業40年、50年といわれている部品・機器の販売店の創業時代は荒々しい時代であって、顧客開拓はもっぱら飛び込み訪問が有力な手段であった。現在ではアポイントなしの訪問が嫌われるため、新規の顧客開拓にはほとんど効果…


ディーラーヘルプを考える 黒川想介 (48)

販売店は役割見直しを 顧客実体情報をメーカーに発信 電気部品や制御機器を扱う営業では、「源流企業」という言葉をかつてよく使ったことがあった。源流企業とは業界のトップクラスの企業のことを言った。 電気部品や制御機器の草創期から成長期にかけて、新商品創出に関する活動は工場の商品技術と販売員とで直接やっていた。成長期に入ると製造側に商品部ができて新商品創出の窓口の機能を果たした。この時に営業側にも営業企画部ができて、営業部と企画部に分かれていた。当初はマーケティング活動の中心は営業部であったから、新商品創出に関して営業部が直接、商品部と打ち合わせて実施した。 1980年代になると、日本の産業は工業化…


ディーラーヘルプを考える 黒川想介 (47)

IoTや超多様性の世界 第3次ローラー作戦必要 東京オリンピックが2年後に迫ってきた。競技施設・ホテル等の建設や交通インフラの整備で大きなお金が動いている。前回の東京オリンピックの時とは国の経済規模が違うため、動くお金が大きい割には当時のような東京中が好景気に沸き、騒がしい様子はない。 1964年の東京オリンピック時のGDPは30兆円弱しかなかったから、その影響力の大きさは明らかである。日本の高度成長が始まったのは50年頃からで、人口の流れは大都市へ向かい、大都市への人口集中が始まった。国はこれを是正するため62年に地方創生策を打ち出した。それが「新産業都市建設促進法」だった。税制が優遇されて…


ディーラーヘルプを考える 黒川想介 (46)

対人スキル向上の研修を 付加価値アップ目指して成長 「巨人の肩の上に立つ」という言葉は、科学者アイザック・ニュートンがある書簡の中で例えに用いたことで有名になったと言われる。その意味するところは、偉大な先人たちの業績を巨人に例えて、自分が新たな発見や遠くを見ることができたのは巨人の肩の上(つまり、ひとえに先人たちの研究や業績の積み重ねの上)に立って見たからだということである。 科学技術の分野では発見・発明を動かしがたい事実として学び、その事実を土台にしてさらに研究を重ねて新たな発見・発明ということを繰り返して現在の科学文明社会をつくってきた。 営業の分野はどうだろうか。営業は科学技術のように積…


ディーラーヘルプを考える 黒川想介 (45)

「岡目八目的」に見れば… 顧客は生命でなく市場 事の当事者よりも第三者の方が情勢を正しく判断できることを「岡目八目」と言う。 ひと昔前に日本の社会は工業化社会と言われていた。工業化社会と言われていた1970年代に電気や機械技術の発達によっていろいろな製品が生まれた。それらの製品を自動制御で作ってしまう便利な世の中になったという実感はあったが、当時の人はこれが工業化社会だとは言っていなかった。 工業化によって社会がより豊かになり、やがて「ポストインダストリー」という言葉が生まれた。次に来る脱工業化社会を意識した時、つまり対比できる社会があることを知った時に、これまで過ごした社会は工業化社会だった…


ディーラーヘルプを考える 黒川想介 (44)

メーカーと販売店営業 役割認識で最強チームに パソコンの出現で「ソフト」という言葉が使われるようになったが、近年ではスマホの出現で「アプリ」という言葉がよく使われている。制御機器や部品業界の営業マンは「アプリケーション」という言葉を使う。 製造業ではたくさんの機器や機械装置を使う。営業マンはこれらの機器や機械装置には入力部・コントロール部・出力部があることをまず習う。実際に製造の現場にはどんな機器や機械装置があるのか、それはどのように動くのかを営業マンは知ることによって部品や制御機器の売り込みをするのであるが、アプリケーションはその際に入力はどんな方法でやるのか、コントロール部はどんな機器を使…


ディーラーヘルプを考える 黒川想介 (43)

現場情報が付加価値に IoTが改善以上の効果 「背に腹はかえられない」という言葉がある。 1960年頃の東京・隅田川の水は真っ黒で異臭が漂っていた。工場排水、生活排水が垂れ流し状態であった。当時の人々が文化的な生活をするには隅田川の水がどうなろうが背に腹はかえられなかった。文化的生活が定着してくると、法律により垂れ流しの規制が始まった。技術的コストを払ってこの法律に挑戦し、克服して隅田川の水は奇麗になった。 90年頃から北極の氷やヒマラヤの氷河が溶けている映像が人々の目に入り出した。94年にはリオ・デ・ジャネイロで先進国による第一回気候変動枠組条約が締結された。日本がこれを強く意識したのは97…


ディーラーヘルプを考える 黒川想介 (42)

若き営業マンの育成 実践トレも一つの手法 昔から営業には経験が必要だと言われてきた。どんな仕事でも経験は必要なのだが、特に営業という職業が経験を重視しているのは営業の相手は人だからである。 営業の本分は情報を取ることである。その情報を元にして物やサービスを売っていくのが営業である。情報を入手する相手は人であり、人は千差万別である。どのようにアプローチしたら、どのように話を持っていったら情報が取れるのかというマニュアルはつくれない。と言って若き営業マンを野放しにして経験を積ませることは、現在の状況では無謀である。 そこでこれまでの営業の先人たちの経験を集めて教材をつくり、営業研修の一助にしてきた…