I4.0、真のオープンネットワーク演出 イーサネット通信が中核に 相互接続性向上 ものづくりに追い風

1面カット写真“つながる”がコンセプトのひとつでもある「インダストリー4.0」(I4.0)の構想がフィールドネットワークの行方にも大きなインパクトを与えようとしている。フィールドレベルのネットワークの共通化に取り組んできた各種ネットワーク団体が、I4.0への対応でネットワークの相互接続性への取り組みを強めているためだ。オープンネットワークと言われながら、各ネットワーク間では閉鎖的な状況だっただけに、I4.0が「真のオープンネットワーク時代の幕開け」への大きな推進力になっている。

たくさんの機械や装置が稼働している工場の生産設備の稼働と管理を、異なるメーカーであっても共通のプロトコルで運用することで、簡単で効率的、かつ安定してデータ通信ができることになる。ネットワークのオープン化(標準化)はこうした目的のもと普及してきた。しかし現実は同一のネットワークの中ではオープンな環境としてシームレスにつながることができるが、いざ異なるネットワークにつなごうとなると接続は一気に難しくなる。ゲートウェイなどのアダプタを使って接続しているのが実状だ。しかも、一部のネットワークによっては、通信チップの設計から制限をかけていることもあり、事実上クローズドにしているケースもある。

I4.0は、工場内のそれぞれの機械や設備が通信機能を持ち、相互に情報をやり取りすることで生産性の向上を目指している。さらに、それは一つの工場内だけでなく、拠点や企業間を超えた相互通信も視野に入れている。そうなると、現状のオープンネットワークの実状や直面している課題感とは違うレイヤーでの技術や課題になる。機器間通信だけでなく、距離や時間、各通信プロトコルを超えて、いかにお互いがストレスなく、シームレスに相互に通信するかというレベルになり、インターネットにどうつなぐのか?といった技術的課題になってくる。

I4.0によってこの概念や課題感が製造現場まで普及しはじめている。最近はフィールドレベルのネットワークだけでなく、コントローラレベルの上位にあたる経営レベルまでを通信でつなごうという動きがある。現状のオープンネットワークは意味をなさなくなる可能性が出はじめ、産業用オープンネットワークは大きな転換期を迎えている。

FA用の主なオープンネットワークは、欧州系のPROFIBUS、米国系のDeviceNet、そして日本からのCC-Link、FL-netなどがあり、さらにモーション系で日本からのMECHATROLINK、欧州系のEtherCAT、Seacosなどがある。

各ネットワークは、こうした環境の変化から、相互接続性を強化する動きを強めている。DeviceNetはPLCの通信用によく使われているModbusと相互通信を確保している。また、CC-LinkとPROFIBUSは、イーサネットベースのそれぞれの通信規格であるCC-Link
IEとPROFINETの相互接続性を強化していくことを明らかにしている。日本と欧州を代表するネットワークが連携を図ることで、ネットワーク間の壁は大きくオープン基調を強めることが予想される。

オープンネットワーク間では、つながる機器本体だけでなく、機器間をつなぐケーブルやコネクタもそれぞれのネットワークごとに異なる仕様となっている。しかし、オープンな通信が主流になることでこの面でも共通化が進み、各ネットワークの接続を1機種で対応できるようになってきている。

I4.0やインダストリアル・インターネットなどオープンなものづくりコンセプトが浸透してくるなかで、ネットワークは文字通り「オープン」な通信時代を迎えようとしている。

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