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知財探訪(7)「知」の力と世界調和

PCTがもたらした「平等」基準 今年の春は寒暖が定まらず、全国的に桜の開花が例年より1週間早いというニュースを聞いた後、真冬の寒さに戻って東京でも雪がちらつく日がありました。天気同様に波乱気味の経済環境の中で、4月の新年度からあらたな事業計画をスタートされる企業も多いことでしょう。 世界経済の見通しについては、反グローバル主義の波が今後どこまで進むのかがひとつのキーになると聞いています。それぞれの国が自国の利益優先に固執すれば、そろいかけた足並みも乱れ争いも生じることでしょう。小学校の運動会のムカデ競争をふと思い出したりします。人種や宗教間の対立が絡んだ局所的な紛争も後を絶ちません。人の「知」…


知財探訪(6)オリンピックから考えるイノベーション

技術市場性と知財が相関 4年に一度のウインタースポーツの祭典、2018年平昌冬季オリンピックが閉幕しました。氷雪の世界という厳しい環境の中で繰り広げられたアスリートの熱い闘いは、夏のオリンピックとは一味違う感動をもたらしてくれました。 磨き上げ鍛え上げた選手の技術や力が競技結果を左右することは当然ですが、冬季オリンピックの競技種目は、スキーにしてもスケートにしても、さらには「下町ボブスレー」の不採用で物議を醸したソリにしても、夏のオリンピックに比べて用具の性能に影響される度合いが大きいように感じます。おそらくは冬のスポーツ用具についても長年にわたりたゆまぬ研究開発が進められ、特許発明も産みださ…


知財探訪(5)中国の知財パワー

真価問われる日本企業 2018年もはやひと月が過ぎました。年初来の株高に景気の浮揚感をあおる報道も多いのですが、各界トップの年始のあいさつは比較的堅実なトーンのものが多かったように思います。 日本特許庁長官の年頭所感では、「特許料金の軽減」「スーパー早期審査」などの新しい施策による中小企業やベンチャー企業の知財活動の活性化、IoT普及に伴う異業種間知財交渉への道筋づくりなどがうたわれています。知財により中小企業の活性化を図るとともにこれらの企業からの特許出願の増加によって出願件数減少に歯止めをかける政策を継続する方針のようです。 一方、中国の国家知識産権局の局長(日本の特許庁長官に相当)は、年…


知財探訪(4)「GLAY」に見る著作権の形と活用

逆転の発想で世にアピール ロックバンドGLAYは長年にわたり日本の音楽界で活躍しているアーティストのひとつですが、最近公式サイトで同バンド名義の楽曲を結婚式で使用する場合に限り、著作権料(厳密には、歌手など音楽を伝える人の権利である「著作隣接権」に関わる料金)を徴収しないとの発表をおこない、テレビや新聞の報道で取り上げられ注目を集めています。 著作権は、特許・実用新案・意匠・商標などのいわゆる産業財産権と並ぶ知的財産の大きな柱ですが、独創性のある著作物や音楽などに対して、自動的に発生する権利であることで産業財産権とは一線を画しています。 ひところ、大学入試の問題で文芸作品などが引用されることに…


知財探訪(3)発明者は人工知能?

人間の「ヒラメキ」で挑戦を 今年の秋は活発な秋雨前線や相次ぐ台風に祟られて、爽やかな秋空を望める日がほとんどなかったように思います。気象庁も忙しくて大変だったと思いますが、最近では人工知能(AI)を駆使した天気予報サービスの取り組みが複数の企業で進められているようです。 AIといえば、チェスに続いて将棋や囲碁で相次いでAIが勝利してから「人智vs.AI」の議論がにわかに熱を帯びてきました。囲碁について言えば「AI同士の対局を通じて今まで知られていなかった囲碁の『定石』をAIが考え出した。今後も考え出すだろう」とのことです。「AIは理論的には人間の思考を凌駕する力を潜在的にもっている」というのが…


知財探訪(2)うれしくない「ラブレター」

受け取ってからの対応 重要 さて、筆者の趣味の一つが読書で、特に日本の大衆小説を好んで読むのですが、知的財産をテーマとした物語に出合うことはほとんどありません。そんな中、2011年に直木賞を受賞した池井戸潤氏の企業小説「下町ロケット」は、特許権が物語の大きなキーとなっており、後にテレビドラマ化もされ話題となりました。 本作は主人公が経営する小企業「佃製作所」と重工業会社との間に生じた軋轢を題材にしたもので、重工業会社が開発する宇宙ロケットの心臓部にあたるエンジンの燃料系バルブをめぐる争いの中で、最終的には「佃製作所」が保有する特許が決め手となり、ほぼハッピーエンドで終わっています。社会通念上の…


知財探訪(1)パンダとラーメンと知的財産

「知的財産」という言葉にはなんとなく硬いイメージがあり馴染みにくいところがあるかもしれません。それでも実際には、知的財産は気が付かないうちに私たちの日常生活に溶け込んでいます。この連載では、知的財産の専門家ではありませんけれども、その世界に身を置く立場の筆者が、皆さまに少しだけ知的財産を身近に感じてもらえるような切り口で、特許、商標、意匠などの知的財産にまつわる話を綴ります。 「冒認」防ぐ商標権確立を 身の回りにある製品、例えばスマホや自動車などには、多数の特許技術が組み込まれていますが、普段私たちはそのことを意識することはあまりありません。特許技術がブラックボックス化されているからです。特許…