アドバンテック、エッジAIアプリケーションを多数展示 COMPUTEX TAIPEI 2026 ブースレポート WEDAが広げるエッジAIの世界

PCや半導体、EMS、関連機器メーカーなどが集積する台湾・台北市で毎年行われているCOMPUTEX TAIPEIは、世界的なコンピュータの展示会として知られる。これまで展示の中心はPCとその周辺機器、部品などコンシューマ向けが目立っていたが、近年のデジタル化やAI隆盛によってサーバやデータセンタとその関連技術、さらには産業向けIoT関連などの展示が増え、民生、産業の枠を超えたコンピュータやAIの総合展示会の様相を呈し、かなりの賑わいを見せている。
2026年6月2日から5日にかけて行われたCOMPUTEX TAIPEI 2026でアドバンテックは、エッジAIのアプリケーションとフィジカルAIに向けた取り組みを数多く展示した。
ハードウェアプロバイダーからエッジAIの総合プラットフォーマーへ
アドバンテックブースについて、前回は製造業や社会インフラ等と、リテール関連とで別々のブースを設けていたが、今回はそれらを1つに統合。また前回はエッジコンピューティングが中心で、AIも展示しているといった形だったが、今回は完全にエッジAIが主役。特に、エッジAIのモデル開発からハードウェアへの実装、システム構築、運用・管理までを同社のプラットフォーム上で一貫してできるようにするソリューション「WEDA(WISE-Edge Developer Architecture)」を発表しており、WEDAを中心として、さまざまな領域・分野のさまざまな工程でどのようにエッジAIが活用できるか/していくか、どうそれを実現・実装していくのか、AI時代に対して同社がどのように貢献していくのか等が紹介するアプリケーション展示が多かった。
エッジAIのモデル開発から現場実装、運用まで一貫サポートするWEDA
WEDAは、エッジAIのAIモデル開発の高度化・効率化を支援するだけでなく、ハードウェアへの実装とシステムの構築、運用・保守管理にいたるまで、一貫して同一の基盤上で行うことができる同社のエッジAIソリューション・開発環境。フィジカルAIに代表されるように、AIのトレンドがリアルなモノの動く世界に近づいていることを背景に、同社もコンピュータ・サーバといったAIを動かすハードウェアプラットフォームだけでなく、AIそのものの開発と運用にもソリューションを拡大している。
ただ、これだけだと半導体メーカーやAIベンダー等が提供しているソリューションと大きな違いはないが、同社ならびにWEDAは「クロスチップインテリジェンス」で独自の特長や他との差別化を図っている。
同社は、産業用PC世界トップメーカーという立場から、AMD、Intel、NVIDIA、NXP、Qualcomm、Rockchipといった主要な半導体メーカーのプロセッサを搭載したコンピュータ・サーバをラインナップし、且つコンピュータの種類もボードやパネル、デスクトップ、ラックと幅広く用意し、エッジAIに求められるコンピュータのポートフォリオ全般を網羅している。そのためWEDAも産業用PCと同様に、プロセッサやハードウェアの違いを問わずに共通の基盤でエッジAIモデルを扱う仕組みになっており、エッジAIの構築と複製、拡張が容易に実行できるという特長がある。そのためシンプルで小規模なエッジAIシステムはもちろん、複雑で規模が大きなシステム構築やエッジAIシステム同士の連携、さらには完成したエッジAIを別のところに展開する際などに高い効果が期待でき、これは自社プロセッサによるAI開発・搭載を基本とする半導体メーカーや、各半導体メーカーのチップや開発環境に依存するAIベンダーやSIerにはできない、産業用PCメーカーならではのメリットだ。
さらには、同社はエッジAIを実装するコンピュータやサーバはもちろんのこと、且つセンサやI/O、ネットワーク機器といったエッジAIを活用したシステムに使われるハードウェアも一通りラインナップしており、設計や調達、保全部門にとっても便利で優しい体制も整っている。
WEDAと合わせて、エッジAIの実現に必要な環境とハードウェアが1社で賄えるというのも、同社の強みのひとつでもあり、ブースではこれらの特長のもと、WEDAをどう活用してエッジAIを実現していくかというアプリケーションが多数紹介されていた。



製造業、サービス業、小売業、医療など幅広い領域でのエッジAIアプリケーションを展示
産業用PCはあらゆる産業で使われていることもあり、ブースでのエッジAIのアプリケーション展示は、製造業だけでなく、インフラやエネルギー、小売業、医療など幅広い業界のものが広がり、またフィジカルAI、ヒューマノイドロボット向けの展示も見られた。
自動化では、AIを搭載したデジタルツインサーバーを軸に、シミュレーションを使ったモーション制御プログラムの開発の効率化と、 実機の動きをデジタル空間で再現するデモを実施し、CODESYSベースのコントローラとEtherCAT I/Oで2台のサーボモータの同期制御を行い、リアルタイムに動く様子をデジタルツインサーバーで再現してHMIに表示していた。
画像検査のスマート化では、NVIDIAとAIマシンビジョンシステムを提供するOVERVIEW社との連携したソリューションを展示。AI搭載の3Dカメラとサーモカメラで撮像した映像を重ねることで、夜間などより高精度の認識を実現したデモなどを紹介していた。このほか建機の自律運転やリテール・小売り店舗における無人化ソリューション、病院・医療機関向けのインテリジェント化したカートなども展示。
またフィジカルAIの開発向けには、セーフティやセンサ機能をモジュール化して提供しているケースや、ドローンや四足歩行に特化したソリューションなども紹介、ヒューマノイドロボットでは、同社の製品が人型のどの部分、機能を担っているかをパネルで展示。AIコントローラやモーションコントロール、ビジョンセンサ、ネットワーク通信など多くの中核となる部品をカバーしていることが一目でわかる展示となっていた。


-
創味食品、埼玉県羽生市の関東工場が稼働を開始 生産能力を約40%向上
記事がありません