Dの次はG、次はA。その次はなんだ? 理念なきXは意味がない 本気の変革を

さて、いきなりクイズです。「Dの次はG、そしてA。これなーんだ?」答えは「トランスフォーメーション(X)」の変遷。DXからGX、AXへ。新しいトレンドが出てくるたびにXの前に単語をくっつけようとする層がいて、いままで市場はそれに踊らされきた。せっかくの新しいトレンドもコロコロ変わるおかげで定着しない。困ったことだ。

もともとDXは、北欧の大学教授が、ITが浸透していくことで社会はより良い方向に向かっていくだろうとした概念が出発点。そこから、デジタル技術によって旧来の仕組みを時代に即した形へと変革することが重要だというビジネス上の考え方として定着した。日本では2018年頃から使われだし、当時、積極的に推進されていたIT化・デジタル化と混じり合い、デジタルツールを使った業務効率化までDXにくくられ、その概念は消費され、結果、意味合いが矮小化して今に至る。そしてカーボンニュートラルが流行ると「GX」、AIトレンドがくると「AX」という形で、X、トランスフォーメーションをつければ、なんでも解決するかのごとく、単に消費されるだけの軽い言葉に成り果てた。いまはAXだが、次に来るのは、JapanのJか、Z世代にあわせたZか、はたまたSemiconductor、半導体のSか。と思っていたら、Sは「SX(サステナビリティトランスフォーメーション)というのが既にあるらしい。

DXに限らず、IoTやロボットなど、私たちはマーケティングという名の下、新たな概念を安易に流行り言葉に変換し、消費して劣化させることを繰り返してきた。こうした「理念なき言葉遊び」が蔓延した結果、目先のツール導入や口先ばかりのDXで「変革」までいたらず、競争力の強化につながらないままになっている。現場を見ず、社員を見ず、お客様を見ず、投資家や社会からの見た目ばかり気にして言葉遊びに付き合い、まさに「現場の心、本社知らず」「ヒラの心、役員知らず」だ。本当に見なければならない、大事にしなければいけないのは、最前線の現場だ。競争が激しくなるなか、私たちは言葉遊びとイメージアップに付き合っている暇はないはずなのだ。

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