儲かるメーカー改善の急所101項【急所51】クレーム処理

クレームは、人海戦術では解決しない。

クレームは火事と同じです。起こさないのが一番いいのはもちろんですが、もし起きてしまったら消火が第一優先です。まずはお客さまにおわびして、代わりの商品をお届けしたり緊急の修理をしたりと、人海戦術でも何でもいいので一刻もはやく対応することが必要です。

しかし問題はその後です。人海戦術で終わってはなりません。クレームの大半は品質に関する重大事であることが多いでしょう。「転んでもただでは起きない!」という強い意志を持って、全社をあげての改善をすることが必要です。製造はもちろんのこと、営業も設計も購買も技術も管理も、そして場合によっては人事や総務も、関わる全部門が現場・現物を前にしてとことん議論して、二度と同じ問題を発生させない強い決意と具体的な対応が必要です。全体最適の答えが求められているのです。

クレームが発生すると、ほとんどの会社で対策会議が開かれると思いますが、そのうちの多くは会議室での報告になっているようです。しかし会議室で数字や臆測での原因追及だと臨場感もなく、思いつく対策も限られてしまうものです。私は常に現場・現物で話し合いをしていただきたいと思っています。

そして、クレームを営業任せの処理で終わらせたり、作業担当者の不注意が欠陥の原因だと厳重注意している会社もあるのですが、それではいつまでたっても根本対策に到達できません。クレームは人海戦術ではなく、仕組みの欠陥に手を打たない限り、絶対に解決しないものだと考えましょう。

■著者プロフィール

【略歴】柿内幸夫 1951年東京生まれ。(株)柿内幸夫技術士事務所 所長としてモノづくりの改善を通じて、世界中で実践している。日本経団連の研修講師も務める。経済産業省先進技術マイスター(平成29年度)、柿内幸夫技術士事務所所長 改善コンサルタント、工学博士 技術士(経営工学)、多摩大学ビジネススクール客員教授、慶應義塾大学大学院ビジネススクール(KBS)特別招聘教授(2011~2016)、静岡大学客員教授。著書「カイゼン4.0-スタンフォード発 企業にイノベーションを起こす」、「儲かるメーカー 改善の急所〈101項〉」、「ちょこっと改善が企業を変える:大きな変革を実現する42のヒント」など。

一般社団法人日本カイゼンプロジェクト
 改善の実行を通じて日本をさらに良くすることを目指し、2019年6月に設立。企業間ビジネスのマッチングから問題・課題へのソリューションの提供、新たな技術や素材への情報提供、それらの基礎となる企業間のワイワイガヤガヤなど勉強会、セミナー・ワークショップ、工場見学会、公開カイゼン指導会などを行っている。
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