基礎から学ぶ中国工場管理〜実例で学ぶ管理のポイント〜 (31)

2019年9月18日

生産管理に関する中国工場の問題事例②

カギ握る「部材」「生産」「進捗」管理

前回は、生産管理・生産計画(作業計画)の生産能力の把握について書きました。

今回は、その続きの「部品、材料の調達」の話からです。

 

②部品、材料の調達

部品や材料の所要量は、生産計画ひいては販売計画に基づいて計算・作成されるので、販売計画の精度が重要になります。

そして、作成された所要量と日程に従って品質問題のない部材を納期通り調達することが求められます。

中国工場の問題点

これに関する中国工場の問題点は、3つあります。

一つ目は、前述したように中日程計画・小日程計画の段階で追加や飛び込みのオーダーが当たり前のように入ることです。それにより、実際に手配をかけていた部品が必要なくなり、代わりに別の部品が急遽必要となります。しかしながら、部品や材料にも生産のリードタイムがあり、短納期に応えられないものも多々発生します。そうなると工程の準備はできても部品がなく生産できないことになります。

問題の二つ目は、部品や材料の手配が適切に行われず在庫がどんどん増えてしまうことです。この手配を日本人が管理していればよいのですが、そうではない場合、発注担当者の裁量で発注することになってしまいます。生産計画変更への対応を理由に不要な部品や材料の在庫がどんどん増えていき、将来の廃棄予備軍となっています。

3番目は、調達した部品・材料の品質問題です。部品・材料の調達で大事なことは、調達したものが良品であることです。指定通りの納期・数量であったとしても不良品が多く含まれていては、結局生産必要数に不足が生じます。場合によっては不良品をはじけず生産に投入し、自社製品の不良につながることが起きます。

中国工場の大きな問題点として、購入部材の品質確保が不十分というのがあります。品質管理が不十分な仕入先に対する指導ができていない、指導しても改善が進まないなど日系・中国系を問わず解決できていない課題です。

 

2.生産段取り

生産に使用する設備・治具、生産品の仕様を確認する書類や図面、そして、生産に投入する部品や材料を現場に用意しなくてはなりません。

中国工場の問題点

生産段取りの中で中国工場が問題となるのは、図面や仕様書の最新版管理など変更点管理が徹底されていない点です。変更点が反映されずに旧図面で生産されてしまうことや、仕様違いの生産指示をしてしまうことが起きます。特に、種類の多い製品、例えば、主要部分は同じだが細かい仕様の違いがある製品などでは仕様確認が不十分で、仕様違いの生産指示が出されてしまいます。

また、部品調達に問題があり生産指示書で指示された部品がない場合、仕様と異なる部品を勝手に使用することが起きます。特に、単なる色違いなど問題なく組み込めるものや製品としての機能には影響のない部品の場合に、顧客の了解を取ることなく違う仕様の部品を使ってしまうことがありますので、十分注意してください。

 

3.進捗管理

工程や作業が計画通りに進んでいるかをチェックすることです。実際には、計画通りに行く方が少ないと言っていいですから、計画との差異を掴み逐次修正をかけることが、ここでの重要な管理となります。

中国工場で問題点

計画が頻繁に変更されるので、進捗管理のベースとなるものが存在しない。要するに標準がないので、差異を掴むことができず、当然のことながら修正をかけることもできない。従って、生産するがままになってしまい、できた結果を後追いすることが進捗管理の仕事になっていることです。

比較的管理が出来ている工場でも、計画に対する遅れは気にして管理していますが、計画よりも進んでいたり、計画よりも多く生産することに対してよくないという意識がなく、作り過ぎの要因となり過剰在庫につながっています。

 

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◆根本 隆吉
KPIマネジメント代表・チーフコンサルタント。電機系メーカーにて技術部門、資材部門を経て香港・中国に駐在。現地においては、購入部材の品質管理責任者として購入部材仕入先品質指導および品質改善指導。延べ100社に及ぶ仕入先工場の品質改善指導に奔走。著書に「こうすれば失敗しない!中国工場の品質改善〈虎の巻〉」(日刊工業新聞社)など。