ジェトロ 日本企業の海外事業展開に関する実態調査、製造業 他業種をけん引

2019年8月21日

海外市場開拓に意欲

人口減少が続く日本の国内市場は今後、縮小していくのは避けられない。何年も前から、日本の製造業、特に中小企業は海外に販路を求め、グローバル市場で勝負していくべきと言われてきたが、その実態はどうなっているのか。

日本企業の海外事業展開について、日本貿易振興機構(ジェトロ)アンケート調査から探る。

今後(2018年度も含めた3カ年程度)の輸出に関する方針

 

輸出はしているが売上比率まだまだ

ジェトロは、2018年11月から19年1月にかけて、貿易・海外進出への取り組み、保護貿易主義の影響、FTA活用等についてアンケート調査を行い、3385社(うち製造業1864社、中小企業2770社)から回答を得た。

製造業で輸出を行っている企業は85.2%に達し、ほとんどの会社が海外取引は行っている。化学(96.8%)、医療品・化粧品(94.2%)、一般機械(93.3%)、電気機械(92.7%)、精密機器(92.3%)が高く、繊維・織物/アパレル(73.3%)、鉄鋼/非鉄金属/金属製品(79.7%)と低い。

海外拠点の有無について製造業全体では「なし」が53.6%。売上高の海外比率は、製造業全体では売上高の約18.8%程度にとどまり、十分に海外展開できているとは言いにくい。それでも自動車・部品(77.8%)、化学品(67.7%)、情報通信機械/電子部品・デバイス(67.3%)は海外拠点を設けている企業が多く、国内市場中心の飲食料品(22.5%)は際立って低い。業種によって色が出ている。

 

人材、現地パートナー不足に課題

海外ビジネス(輸出・海外進出)を行う上の課題について、多くの企業が「現地でのビジネスパートナー」(55.7%)、「海外ビジネスを担う人材」(54.7%)を挙げている。

それに対して、輸出の実現・拡大に有効な施策(業種別)は、「現地でのビジネスパートナー」(62.1%)が最も多く、「展示会・商談会への参加」(58.4%)、「現地市場の調査」(58.2%)と続き、現地市場に詳しいパートナーや人材を足がかりに海外を広げたい意向を持っていることが分かった。

 

輸出・海外進出拡大の意向アリ

今後の輸出方針について、「輸出の拡大を図る」とした企業は、製造業全体の81.6%に達し、前年に比べて0.7ポイント増となった。

どこまで海外売上高を伸ばしたいかについては、製造業全体の平均値で24.1%となり、ほとんどの業種で20~30%程度までは伸ばしたい意向を示した。特に情報通信機械/電子部品・デバイスは40.1%、自動車・部品は36.0%、精密機器は34.4%、一般機械は32.1%と高くなっている。

輸出重点国・地域については、非製造業も含んだ回答社全体で、中国が最多(58.4%)で、米国(42.3%)、タイ(41.2%)と続いた。製造業では、中国のほか、台湾や西欧を回答する割合が増加した。

今後3カ年程度の海外進出の方針については、「拡大を図る」とした企業は前年並みの57.1%と横ばい。人材不足を指摘する声が多く、輸出によって対応するとの回答もあった。

それでも製造業では海外進出への意欲は高く、日本製品のニーズの高まりや海外市場の成長が期待される医療品・化粧品(71.2%)が最も高く、一般機械や電気機械などでも前年に比べて進出意欲の増加が見られた。