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基礎から学ぶ中国工場管理〜実例で学ぶ管理のポイント〜 (19)

品質管理-中国工場の品質がよくないのはなぜか-(その2)
中国工場の問題点を生産の3要素で捉える④

駐在員の片腕は現地スタッフを

前回まで、下表に示した生産3要素のMan(人)の作業者、管理者、経営層について見てきました。

今回は、この表にはない日本人駐在員についても考えてみます。

 

日本人駐在員

企業のグローバル化が進んで海外工場の成否が日本本社の経営に与える影響は、以前に比べて格段に大きくなっています。つまり海外工場、ここでは中国工場がうまく稼働するかしないか、そして、それを任せている日本人駐在員、特に総経理や工場長がちゃんとやってくれるかどうかが本社としての重要課題のひとつになっているのです。

興味深いデータがあるので紹介します。あるところが駐在員失敗率というデータをとったところ、失敗率は33%~80%となったそうです。この数字を見てみましょう。まず33%、これは中国に送り込んだ駐在員の3人に1人は失敗したということ。次に80%、多い会社では何と送り込んだ駐在員5人中4人が失敗だったということになります。それだけ中国駐在が大変なものだということです。

失敗の要因は多々ある訳ですが、その代表的なものとしては次のようなことがあります。

①中国人スタッフと信頼関係が築けなかった
②日本で経験したことのない業務もやることになった
③自分一人ですべてをやろうとした

これは、まじめな人がこのような傾向にあります。一人ですべてを回すのは無理と割り切ることも大事です。このポジションの方が中国で仕事をうまく回すには、片腕となる中国人を持つことが必要です。

駐在員本人の資質によるところもありますが、会社のためにも、本人のためにも中国駐在がうまくいくように本社サイドもフォローをしっかりやってもらいたいと思います。

 

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◆根本 隆吉
KPIマネジメント代表・チーフコンサルタント。電機系メーカーにて技術部門、資材部門を経て香港・中国に駐在。現地においては、購入部材の品質管理責任者として購入部材仕入先品質指導および品質改善指導。延べ100社に及ぶ仕入先工場の品質改善指導に奔走。著書に「こうすれば失敗しない!中国工場の品質改善〈虎の巻〉」(日刊工業新聞社)など。