令和の販売員心得 黒川想介 (69)

劇的に変わるほどの大革命があれば立ち止まってこれから先どうしようと思案する。明治維新や敗戦後の世の中はまさにこの大革命であった。このような大革命ではそれまでやってきた経験が役に立つことは少なくて、いらない物事が多い。敗戦後はこの先どうしようと一時思案に暮れた。しかしすぐにアメリカを、手本にしてスタートした。その後社会は大きく変わりながら発展したが立ち止まって、これから先をどうしようと考えることはなかった。令和に入りデジタル技術が生活や仕事に入りこんでいるが明治維新や敗戦後のように突然、急劇的に様変わりしてしまうことはない。

だからDX時代の到来だと言われても思案に暮れることはない。それでも大革命であることには違いない。急変こそしないが短い期間で大革命は起こっていくのだろう。その短い期間が曲者なのだ。気がついた時に製造現場は様変わりしていて、販売員の対応は後手に回ってしまう。政府のデジタル化推や5G普及の促進を耳にしDX時代がやってきたら現状の顧客は今まで通り安泰なのだろうか、それにリモート営業や在宅勤務などの営業形態を垣間みたら自分達の営業にも大きな変化がくるのではないかと感じながら過ごす販売員は少なくない。

しかし現状の毎日の行動には然したる変化はない。精一杯の見積り・納期・商品問い合わせ対応等の都度サービス。サンプルの提供やカタログ等を用いた新商品紹介や展示会・セミナー開催案内等のプレサービス。そして購入後のクレーム対応や修理などのアフターサービス。といった厚いサービスで信頼関係を維持し売上向上を目指している。しかし機器部品営業が出入りするマーケットで売上の維持はできてもサービスの良さで売上が上るマーケットでは既になくなっている。毎日が目まぐるしいサービスで大汗をかいている割に売上が伸びないということは顧客サービスの何かが過剰になっているのだ。制度が実情からずれてしまい機能しなくなった状況を制度疲労と言うが顧客サービス過剰になっているのであれば販売員の目論みとマーケットの実情が既に合わなくなった制度疲労のようなものである。明治維新や対米敗戦も背景にはそれまでの制度の疲労があったと思われるがその様な大鉄槌による大変革はある日を境にして価値観ががらっと変わってしまうため一時はボーっとしてもすぐに行動を変えざるを得ない。しかし令和に起る変革も大変革に違いはないのであるが令和の大変革を受身的に捉えてしまえば、従来の様に周囲を見ながらという具合になってしまう。

ましてこれまで懸命にやっている営業活動が顧客に対するサービス過剰の活動だとは気づかないし、思いたくもないだろう。それが本音であるから汗をかきながら令和時代を流されていく。令和を大変革の時代と思うなら従来良しとしてきた事に多少の抵抗をすべきなのだ。では令和の販売員は顧客サービスにどの様に向き合えばいいのか。販売員は使い走りではないし、技術者でもない。商人であるという自覚をもって真の顧客満足を行うことである。例えば顧客のことがよくわかってないのに役に立つはずと思って商品紹介する訪問はこんな商品があるんだと顧客がありがたく思った時代は過ぎているから、無駄なプレサービスと気づくべきだ。又、顧客からこれと同じ物を探して欲しいという問い合わせに、すぐ動くのではなくなぜ探すのかという背景を親身になって聞くことで顧客の意図する満足を実行できるかもしれないのだ。以上の2例から、顧客のことがよくわからずサービスすることが過剰サービスの原因だと知ることである。

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