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ディーラーヘルプを考える(9) 黒川想介

成長時代と違う“姿”メーカー理解へ努力必要

ディーラーヘルプが形骸化しているように思うのは、その根幹をなしている2通りの基本が崩れているからである。

その一つ目が、お互いの信頼関係の問題である。信頼関係を保つには、たゆまぬ努力が必要なのだ。ビジネス上の信頼関係の第一歩は戦略統合から始まる。形式だけの戦略統合から脱して、お互いが成長するために本音で討議した結果の戦略でなければならない。それには本音が出る環境風土でなければならない。かつての互いに本音を言い合っていた経験に学ぶことも必要である。

その経験の一つは、営業同士や管理職同士の往来が頻繁であったことである。当初お互いをよく知らないという認識を持っていたから一緒にやっていく相手を訪問のたびに観察し、傾聴し、互いに共感を覚え、いろいろな情報を共有した。現在の状況は、昔から互いに知っているという前提である。その上、情報化の時代となっているから多くの関節情報にも接することができる。営業同士の要件や案件などはお互いに訪問しなくても処理できる。処理件数は格段に多くなっているのだが、訪問しなければならない要件や案件は少ない。多くの要件や案件の処理からは相手の姿は伝わってこないし、相手のことは昔からよく知っているつもりだが、意外と分かっていない。

お互いに強い関心を持てばもっと何かを知りたくなるものだ。会って話をしていれば要件や案件の打ち合わせのみでは終わらない。メーカーの営業なら販売店の持つ市場最前線にいる空気感やいろいろな情報に接することができる。販売店の営業事情も理解できるようになる。

理不尽な要求をする顧客、調べ物などいろいろ頼ってくる顧客、注文は少ないのに見積もり依頼ばかりする顧客などを相手に、日常四苦八苦している事情のようなことである。そのほか、複数メーカーと販売契約しているためメーカーとの販売会議、商品勉強会などが意外と多い事情、またメーカー営業はよく顧客への同行訪問を求めるが、その際に販売店営業は何か良い話題が出そうな顧客や話しやすい顧客の選定に腐心をしている。それが複数のメーカーからの要請である事情。キャンペーンが多い昨今であるが、一度に数社のキャンペーンがよくだぶる事情などに関して、メーカー営業では分かっているつもりになっているが、感覚的なものである。

頻繁に往来していればこれらの事情を肌で感じることができる。ディーラーヘルプを難しく考えて、施策を出さなくても単純にお互いの往来がベースになっていればお互いにやる気の出る施策が浮かんでくる。お互いの往来であるから販売店もメーカー側への訪問がなくてはならない。現状では、販売店もメーカーのことを知っているつもりになっているが、あくまでも見聞きしていることだけである。

メーカーは製造業である。製造業としてのメーカーを知ることがなくなった。あくまでも販売店と直接接点を持つメーカー営業を知っているにすぎなくなっている。

国内産業の成長時代にはメーカーは販売店にメーカーのことを知ってもらおうとして種々の交流の場を作った。大量の物流をつかさどる物流センター見学会、工場ではどのようにしてものづくりが行われているかを知ってもらう工場見学会、メーカーの本社に訪問しメーカーの今後の取り組み、将来展望を知ってもらう本社見学会などである。これが後々商品を通して親交の深まることも多かったし、販売店も商品に愛着を持つようになった。現在は成長時代とは違う。それなら現状にあったやり方でもっと製造業としてのメーカーを知ってもらう努力をしていくことだろう。

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