第7回ロボット大賞 経済産業大臣賞受賞メッセージ〜MUJIN 滝野 一征CEO〜

ロボット自動化技術で 世界の生産性を向上

〜若い優秀な人材を 再び製造業に〜
ロボットを知能的に使いやすくするティーチレス技術を信じてきた

MUJINは創業当初から一貫して産業用ロボット分野にぶれずに注力してまいりました。なぜならロボットをより知能的に、より使いやすくするMUJINのティーチレス技術こそがロボットの活用範囲を広げ、市場の拡大、生産現場の生産性や品質の向上、ゆくゆくは日本はじめ先進国がかかえる少子高齢化という問題に対して、必ずや新しい価値を創造すると確信していたからです。
この度賞を頂きましたMUJINコントローラピックワーカーもティーチレス技術によってロボットが自分で見て、動作を高速で考える事が出来るようになれたことで、実際に産業の中で膨大な割合を占める単調なピッキング作業をロボットが担えるようになりました。その結果貴重な人資源をよりクリエイティブな仕事にまわし、全体の生産性を向上するという新しい価値を実際に生み出しはじめております。

小さなガレージから2人で創業

MUJINはご存知の通り世界のトップエンジニアだけで構成されるたった30人のベンチャー企業であります。カーネギーメロン、スタンフォード、MIT、パリ大学、東京大学、北京大学、清華大学その他10国籍の多国籍チームが生み出すその高い技術力と現場のプロによる現場力が融合した会社として今でこそ少しは人に知って頂ける存在にはなりましたが、ただわずか5年前はまだ何もなく、アメリカから単身日本にやってきたロセン博士に私が説得され、二人で東京・文京区小石川のガレージを改装した44平方メートルの場所でテーブル二つ、ラップトップ二つで事務所を開いたのが始まりでした。
現実主義の私と根っからの技術者のロセン博士では、まったくバックグラウンド、考え方が違うため意見は全くかみ合わず、衝突は日常茶飯事、その上やっと作った商品が生産現場で役に立たなかったり、会社の資金が底をつきそうになったりと「このビジネスはやっぱりだめか」と、客先からの帰りの車の中で二人意気消沈して何度も諦めそうになりました。

ロボット自動化による技術革新を起こし、人々の生活の質を良くしたい

しかしそのたびになんとか乗り越えてこられたのは、「このモノづくりの中心地日本でロボット自動化による技術革新を起こす。自動化で人々の生活の質をよくする」という二人の決意、信念があったからだと思います。初志貫徹するという一貫性と不可能を一切認めないというタチの悪い頑固さを私はCTOのロセン博士から学びました。ここまでくるまでには相当色々ございましたが、当時こんなに大変だとわかっていればやらなかったかもしれません。ただ、今では素晴らしいチームメンバーと日本の大志ある企業の皆様と共に意義ある事に挑戦できる貴重な機会を頂いた事に大変感謝しております。

製造業は若い世代が命をかける価値がある産業

今回を含め、歴代の受賞者の多くは製造業、物流業、農業という日本が世界に誇る産業の中で活動しておりますが、悲しい事に俗に3Kとも言われるあまり若い方々が自ら進んで働きたくない産業でもあります。
しかし製造業はGDPの大部分を占める国の主要産業であり、人の生活に直結する大変重要な我々若い世代が命をかける価値がある産業です。
それを思う時、まさしく我々ロボット企業には二つの使命があると思います。
一つは当然、ロボット自動化技術の革新により世界中の生産性を向上させる事。
二つめは弊社が成功する事により、戦後の日本のように若い優秀な人材をこの素晴らしい製造業に再度呼び込む事です。
今回の受賞も受賞者単体の話ではなく、この重いロボット産業でこれから戦おうとしているチャレンジャー企業、研究チームへの励みになるものと信じております。

人材と技術、パートナー企業が集まる良い流れを大きくする

社会貢献の信念がある会社には世界から良い人材と技術が集まります。よい人材が集まればチャレンジ精神のあるパートナー企業様が集まり、その結果価値ある商品ができます。
今日本にできつつあるこの良い流れを、より大きい大河にしていくため私達一同の取り組みはこれからも変わりません。それは-。

技術革新により持続可能な事業を興し、その事業により社会に貢献する

これは今回の受賞者共々、皆様同じ気持ちで各事業に取り組まれているものと思います。
だからこそ、従来は難しいと言われていた介護、農業、エンターテイメント、医療他分野にも見ての通りロボット実用化の兆しが芽吹いております。
私達一同は今回の栄誉を励みとし、これからもなお一層の研鑽を重ね、人々の生活の質向上のため、それぞれの活動に引き続き邁進してまいりたいと存じます。

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