前アマダ専務高木俊郎の 日本製造業再起動

世界的ベストセラー「21世紀の資本」の著者トマ・ピケティが日本でもブームを巻き起こしている。日本でも”格差社会”が論じられているが、今回は私が実際に体験してきた”真の格差の現実”の一端を紹介する。

南アフリカ共和国には中小製造業が多く存在し、製造業が発達している。その工場は高い塀と厳しい監視体制が敷かれ、工具や備品の収納庫はすべて厳重にロックされている。「盗難防止のためだ」と社長は言うが、だいぶ物々しい。さらに経営者と労働者の所得格差は大きく、生活レベルにも雲泥の差がある。

ここまで聞くと、労働者の暗く悲壮な様子をイメージしてしまいがちだ。しかし意外なことに彼らは総じて明るく、人生を楽しんでいる人が多い。貧困と犯罪がはびこる社会で、定職に就いていることが彼らにとっての幸せの1つなのだ。経済格差が話題になるたびに、経済的には貧しいながらも笑顔を絶やさず、楽しく働いている彼らの姿を思い出す。

■高木俊郎(たかぎ・としお)
株式会社アルファTKG社長。1953年長野市生まれ。

2014年3月まで株式会社アマダ専務取締役。電気通信大学時代からアジアを中心に海外を訪問して見聞を広め、77年にアマダ入社後も海外販売本部長や欧米の海外子会社の社長を務めながら、グローバルな観点から日本および世界の製造業を見てきた。

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