豊かな感性を次の世代へ 9月にオープン4ジャソルの美術品を公開サンセイミュージアム

技術商社のサンセイテクノス(大阪市淀川区西三国1―1―1、GEL06―6398―3111、浦野英幸社長)は、同社が保有する美術品を一堂に集めた「サンセイミュージアム」を、創業者である浦野正一氏の郷里である堺市美原区に9月オープン(完全予約制)する。同ミュージアムは「彫刻」「絵画」「考古」「陶芸」の4つの展示室で構成されており、精神的な豊かさとひと時の安らぎを提供する空間となっている。浦野英幸社長は「明日の生活は、今日よりも物質的にも精神的にも豊かでなければならない」と説いており、「当ミュージアムの見学を通じ、その思いを感じとって頂ければありがたい」と語る。オープンに先立ち、3回連載で同ミュージアムの魅力を伝える。ミュージアム全体は、宇宙の空間を表す楕円の形を成しており、その中に4つのジャンル(展示室)を設けることで、芸術の無限の広がりと永遠性を表している。 ミュージアムの玄関をくぐると、最初に「彫刻」の展示室が現れた。同展示室は、大阪市出身の彫刻家である玉野勢三氏(1954年生まれ)の作品が中心で、ブロンズ、乾漆を中心に24点展示されている。 玉野氏は「子供」をモチーフに制作を続けている。実際に4人の子供の父親として、日常生活での子供とのふれ合いの中から作品が生み出されており、作者は「それぞれのテーマごとに表現される純粋で心和む童心の世界を楽しんでいただければ」としている。こうした作品群は、駅の広場や公園などにも多数展示されている。 玉野氏と浦野社長は、若い頃からの知己で、お互いに心通じるものがあるという。同社では「商社としてより良い製品を提供し、世の中を豊かにするという使命があるが、玉野先生の作品に内包される思いと共通するものがある」と指摘している。今回のミュージアム開設にあたっても、玉野氏は新作の提供も行っている。 次の展示室は「絵画」で、昭和を通じて活躍した京都市出身の里見勝蔵(1895年~1981年)の作品を中心に19作品が展示されている。 里見は日本におけるフォービズム(野獣派)の先駆者で、日本の絵画史上において重要な役割を占めている。大正後期に渡欧したが、野獣派の名に相応しい熱情あふれる初期の作品から、円熟味を帯びた後期の作品まで展示されており、画風の変遷をたどることができる。 さらに、里見とともに「信濃橋洋画研究所」の創設メンバーである、小出楢重、鍋井克之、国枝金三、黒田重太郎の作品も展示されている。同研究所は1924年(大正13年)大阪の信濃橋に開設され、関西を代表する洋画団体として活躍した。同地を中心に活動を続け、全国で通じる人材を輩出。同研究所の姿は、活動の場は違えど、大阪に拠を構える同社にとって、大いなる先達として映っている。

【サンセイミュージアムの概要】

▽住所=堺市美原区平尾3300―1▽=072―363―8831▽規模=鉄筋2階建て(床面積・1階624平方メートル、2階617平方メートル)▽設計=伊東建築設計室▽施工=龍建設工業

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