配電盤・制御盤配線の省力化・合理化手法~端子台接続方式の国際トレンドを探る~ 配電制御システム

2013年2月27日

産業界では近年、ヨーロッパを中心とする「IEC規格」が世界中に広がりつつあり、世界標準化が進んでいる。わが国の産業界でも、海外ではIEC規格対応が必須条件になり、国内でも「グローバル化」に目を向け、対応をはじめている企業が急増している。様々な国、様々な技量の作業者が増えてきており、作業の標準化を進めなければ、作業時間の短縮や製品のコストダウンが図れず、国際的に競合性を失ってしまうためである。内需が主体である配電制御システム業界でもIECなど海外規格対応への関心が高まっており、制御盤を始め配電盤類の製造の標準化・合理化が進展しつつある。とくに、配電盤・制御盤のものづくりで最も人手を要する配線接続の効率化対策が進んでいる。そこで、配線接続の代表的な「端子台」にスポットを当て、その世界のトレンドを探ってみた。
◆スプリング式の流れ加速◆

世界中で使用されている端子台の接続方式は、大きくネジ式、スプリング式、圧接式、その他に分類される。ネジ式は、日本ではプラスネジを使用した丸型圧着端子台が主流だが、ヨーロッパではマイナスネジを使用した「押し締めネジ式」が中心で、発電や化学プラントなどに長年使用されている。接続方式ごとの割合は、大まかにみると、従来はネジ式50:スプリング式20:圧接式3:その他6の割合であったが、しかし、近年は省工数、省スペースなどの要望からスプリング化の流れが加速している。当社の試算によると、今後スプリング式は全体の半分位までは伸長する。

一方、国内に目を向けると、日本の接続方式の80%程度が丸あるいはY型圧着端子台と推定される。戦後アメリカからの技術導入で始まった端子台は日本独自の発達を見せ、「日本式ネジ端子台」として確立した。しかし、最近では国内でもスプリング式接続の需要が急増してきた。まだ、国内での割合は約15%程度であるが、世界のトレンドと同様に、業界では近い将来、全体の50%程度までは拡大するであろうと言われており、国内の端子台メーカーも、スプリング式を発売する会社が増えている。
◆省スペース化・省工数◆

スプリング式の需要が伸びている背景には、いくつかの側面が考えられる。まず、基本構造上の問題である。ネジ式の場合「ネジはゆるむ」という意識が一般的で、施工後の増し締め作業や、輸出などの輸送中に振動で緩むといった難点に対し、スプリング式の場合はそれがない。第2に、スプリング式はネジ部品を使わないということから同等仕様の場合、約半分のスペースで済み省スペース化が図れるとともに、ネジ締めという工数を削減できる。第3に、もともとヨーロッパ発の技術がベースになっているので、CEマーキングを始めとした海外各国、各地域からの規格要求にも対応できる製品が多く、海外での調達性に優れていることも、グローバル化の流れに乗っていると考えられる。

このような特徴から、従来は輸出企業を中心とした採用が多かったが、最近では国内向けのアプリケーションでの採用が増え、大手企業や各業界団体でも推奨の動きが拡大している。

(つづく)
【筆者=フエニックス・コンタクト株式会社

マーケティング部
飯島一憲氏】