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【現状】

半導体産業は材料・部品、製造装置など半導体関連産業を含めた大きな産業であるとともに、コンピュータ、情報家電などのエレクトロニクス製品の付加価値(性能、機能等)を決定づける重要部品であることはもちろんのこと、自動車、産業機械、医療機器等の幅広い製品に使用されており、生活・産業・社会に密接に関連する基幹産業である。半導体の性能やコストがこれらの製品の競争力に直結することから、最終製品の競争力の源泉を持つ『基幹部品』としての半導体産業の重要性はますます高まっている。

我が国半導体産業は、1990年代に日本勢の市場シェアが下落していく中、相次ぐ大規模な設備投資を支えきれなくなり、国内企業の事業撤退、リソースの集約が加速した。この結果、メモリの生産については、DRAM及びフラッシュメモリに関して、それぞれ1社に集約された。また、10年4月には、ルネサステクノロジとNECエレクトロニクスが統合し、ルネサスエレクトロニクスが誕生した。

半導体の世界市場は、08年のリーマンショックに端を発した全世界的な景気減速の影響により、厳しい状況に陥った。特に、DRAM、フラッシュメモリなどのメモリ事業は供給過剰による価格の急激な下落により、ドイツではキマンダが破たんするなど大きな影響を受けた。

このような中、製品の企画・設計力がその競争力を決定する大きな要因であるシステムLSI事業では、従来の垂直統合型の事業体制に代わり、世界では米国中心のファブレス(企画・設計特化型)企業と台湾中心のファウンドリ(製造特化型)企業の分業体制が構築され、ファブレス企業に製品競争力が集中したことで、米国企業が強い競争力を有しており、高い営業利益率を保っている。

【我が国半導体産業の

強みと弱み】

(1)強み

我が国半導体産業は、最先端の製造開発能力があり、高品質の製品を提供していくことが可能である。先端技術を駆使したフラッシュ・DRAMなどのメモリ分野ではモバイル用途等高い信頼性、技術力を求められる用途で一定のシェアを維持している。

また、マイコン、パワー半導体、LEDなどの光半導体などでも高いシェアを有しており、広い製品群を保有していることが強みである。さらに、材料・装置技術などの強い国内周辺産業の存在により、半導体産業を支える優れたものづくりの基盤技術力がある。

(2)弱み

システムLSI事業についてみると、我が国企業は各社とも多くの製品を手掛け、少量多品種生産となることから生産コストが割高となり、利益率が低い。また、成長しているアジア・太平洋市場における市場開拓は進んでおらず、シェアは低い。海外企業は高い利益率からスケールメリットを生かした大規模投資が可能であり、それが開発力向上に結びつくという好循環を実現させている。

【世界市場の展望】

世界の半導体市況は、2008年のリーマンショックによる大幅な市場縮小があったものの、10年は08年、09年のマイナス成長から一転、新興国を中心にコンピュータ・携帯電話等、半導体の需要が増加しており、10年にはリーマンショック前の水準を超え、今後も引き続き伸びることが予測されている。

各地域市場の動向としては、世界半導体統計(WSTS)のデータによると、半導体市場全体においては09年から12年まで13・6%の年平均成長率であり、特に中国を中心としたアジア・パシフィック地域の伸びが著しく、今後も更なる伸びが予想される。

【我が国半導体産業の

展望と課題】

(1)今後の競争力強化に向けた対応

我が国の半導体産業の競争力強化には、高い製品の企画・設計力が必要であり、デファクトとなる製品・プラットフォームとなる製品を提供していくことが必要である。このためには、製品ポートフォリオの選択と集中を高め、リソースの集中投資を行う必要があり、高い信頼性や省エネ技術等、我が国半導体産業の強みを生かせるビジネスモデルの構築が必要である。

また、半導体微細化技術の進展に伴って研究開発費と設備投資費のコストが急増している。我が国半導体産業においても、一部では企業間の連携が進められているが、産学官の英知を結集して更に加速化させる必要がある。

また、メモリ事業においては、微細化を中心とした製造技術の高度化と世界市場を視野に入れた投資競争に打ち勝つことで、コスト競争力を強化することが必要である。

(2)東アジアを中心としたグローバル戦略

世界市場において競争力を高めていくためには、国内における過当競争構造から脱却し、海外マーケットの開拓、世界に通用するグローバルスタンダード製品の創出、マーケティング力・システム設計力の強化を進め、ボリューム市場であるアジアを攻略することが必要である。

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