分岐点

一昨年からの不況は否応なしに構造の変革をもたらしているようだ。これまで2次、3次下請け製造業として使用した製造設備と人の再利用へ受託生産を標榜する会社が増えてきた。単なる生産を受託するのではなく、開発から請け負う傾向になっている。設備と人材の両面で如何に優れているかを競っている▼こうした受託生産企業の多くは量産技術を強調している。ある会社は音響機器で年間100万台以上を生産してきた実績を踏まえ、アジアでの生産設備を誇示している。アジア市場進出を目指す製造業の投資額抑制には確かに効果は上がるが、国内で小ロット対応の受託生産を行う方が固有の技術を活かせるし海外流出を防げるのではないかと一面思う▼製造業の範疇(はんちゅう)が広がる時に来ており、ニッチ市場がこれから創造される。海のものとも山のものとも分からない製品を開発し販売するにはリスクを避ける意味合いから、生産を委託する。市場創造においては先発製品の生産量を小規模にするので、市場開拓段階では人材の投入や生産設備の導入を控えざるを得ない▼日本ではイノベーションは技術革新と訳されているが、中国では「創品」と聞いた。この漢字を当てはめた方が理にかなっているように思えるが、そのときに活躍するのが小ロット受託生産企業であり、存在価値は高い。

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