ファナック・シスコが協業 ZDT展開、稼働率向上へ

ファナックとシスコシステムズは、工場で稼働している産業ロボットをネットワークに接続し、製造業界における複数の顧客企業で効率的な運用を推進していくことに対し、両社で協業していくことを発表した。

工場内に設置されたサーバでロボットの稼働状況を解析し故障予知を行い、定期メンテナンス時の部品交換や、不意の生産・製造ラインの停止、生産エリアや工場全体で生産業務の中断に至る事態を避けられるゼロダウンタイム(ZDT)ソリューションを展開していく。

ZDTソリューションは、ロボットや制御装置、あるいは製造工程に何らかの不具合が発生する可能性をシステムが事前に検知し、ダウンタイムが生じる前に情報を提供し、事前の保守スケジュールに基づく操業停止時間内に問題への対応を済ませることができるソリューション。ロボットはシスコのネットワークを通じて、工場内のエッジコンピューティングのデータ収集装置に接続。気温や生産サイクル、機械の稼働状況などのデータを収集する。

さらに、保守管理に関連するデータが工場内の解析サーバに蓄積され、解析エンジンによって規定範囲を超えた例外事象がないかが綿密にチェックされ、保守サービスの必要性を予測。部品の交換が必要な場合は、その旨が解析サーバから通知され、関連する作業内容の指示も合わせて表示される。

両社はすでに、北米にある大手自動車メーカーで12カ月間にわたってZDTパイロットプロジェクトを実施。期間中、生産設備またはロボットのダウンタイムをほぼ100%削減し、総合設備効率を上昇させることに成功している。

ファナックの稲葉善治社長は、今後このソリューションをすべての生産施設に導入できれば大きな付加価値が提供でき、IoTをベースとしたデジタルトランスフォーメーションの実現に貢献できるとし、「ZDTの導入により計画外停止をなくすことで、当社のロボットを導入しているメーカーのユーザーには大きなコスト削減が期待できる。加えて当社のZDTロボットの価値も飛躍的に高まる。シスコとの協業によって、個々のロボット単体では実現できなかった新しい価値をお客様に提供することが可能になり、今後の機能強化や新サービスを提供するプラットフォームとして極めて大きな可能性を持っていると考えている」とコメントした。

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