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灯台

本紙に連載中のアルファTKG高木俊郎社長の「日本の製造業再起動に向けて」が好評だ。日本のものづくり全体に元気がなくなりかけている中で、中小企業の活躍がこれからの日本の製造業活性化の鍵を握っているというのが高木社長の持論だ。今話題の「インダストリー4・0(I4・0)」についても触れている。この説明がまた非常に分かりすい。つまり第4次産業革命と言われているI4・0は、4回建ての工場を建てるのに似ているという例えである。機械化の1階、機械と電気の2階、機械と電気とPLC/PCの3階、そして、3階の上にインターネット技術をベースにした仮想工場(サイバー)を乗せて4回建てにするという構想がI4・0のコンセプトであると言う▼ここでは「革命」という言葉が使用されているが、革命というのは既存のモノをすべて壊し、新たに構築するというイメージがある。しかし、高木氏のI4・0の表現は、既存ベースの上に建て増していくという内容である。既存の技術を生かしながら、新たな技術を融合して生み出す。確かに革命という言葉の意味合いとの違和感は残る▼しかしここでもっと重要なのは、技能・技術の伝承である。ものづくりの方法は時代とともに変化しても、熟練の技能・技術を変わらないように代々引き継いでいくことは、非常に難しい。I4・0では、サイバーでこの技能・技術を伝承しようというコンセプトが入っている。高木氏はこれをCPS(サイバー・フィジカル・システム)という概念で捉えている。I4・0の効果は、こちらのほうが大きいかもしれない。