
2025年の労働災害の発生状況について、厚生労働省「令和7年(2025)労働災害統計」によると、死亡者数は過去最小で減少傾向が続いているが、休業4日以上の死傷者数は前年より減少した一方で、この20年ほどでじわじわと増加傾向にある。労働人材と環境・構造の変化が背景に透けて見える。
2025年の労働災害における死亡者数は700人で、前年比46人減。このうち製造業は115人で、前年の142人から27人減少した。原因は「墜落・転落」が186人と最も多く、ついで「交通事故(道路)」126人、「はさまれ・巻き込まれ」が117人となった。死亡者数は年々順調に減り続けており、現在ではピーク時(1974年4330人)の約6分の1まで減らすことができている。
一方、休業4日以上の死傷者数について、2025年は13万5333人で、前年から385人減。うち製造業は2万6371人(前年比305人減)と業種別では最多。原因は、「転倒」が3万7195人と最も多く、「動作の反動・無理な動作」2万2166人、「墜落・転落」2万864人、「はさまれ・巻き込まれ」1万3047人だった。
死傷者数もピーク時(1978年34万8826人)に比べて20万人以上減らし、3分の1弱になったとは言え、2009年の10万5718人を底に、2017年に12万人、2021年に13万人を突破し、2024年は2000年以降で最多の13万5718人と年々増加。業種別でも、製造業や建設業、貨物運送事業は減少する一方で、小売業や飲食店、サービス業など第3次産業では増加している。
高齢人材や外国人労働者の安全対策を
この背景には、壮年の日本人男性が労働人材のほとんどを占めていたところから、年配者や女性、外国人労働者の増加がある。全年齢の死傷者数のうち60歳以上の人数・割合は、2006年に約2万人・15%だったのが、現在は4万2000人超・31.3%と2倍超に拡大。労働災害の発生率も年齢層が上がるにつれて高くなっており、特に事故件数の多い「転倒による骨折」「動作の反動・無理な動作」は年配の女性の発生率の高さが目立っている。
また外国人労働者についても、雇用者数は年々増加するのに合わせて事故件数も増加。外国人労働者の死傷者数は2006年に年間2000件超・全体の1.9%だったものが、2025年には約7000件・5.3%まで増加している。
国が目標や課題を定めた2023年から2028年までの「第14次労働災害防止計画」でも、労働者の高齢化や外国人労働者による事故増加は課題とされており、民間企業に対して転倒防止のための5Sをはじめとする環境づくりや安全教育の実施などのさらなる遂行を求めている。







