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オムロン、「盤レス化ソリューション」展開強化 変わる制御盤とプロセス 変革へ大きな一歩 盤外設置用の機器を拡充

いままで話題には出てきても、対応製品の不足、コストや運用面で現実味が薄く、なかなか実現へ一歩踏み込めなかった「盤レス(制御盤レス)」。このほどオムロンが、箱・キャビネットで保護せず、盤の外に出して設置できる盤レス化の機能・性能を備えた盤用機器のラインナップを拡充し、正式に「盤レス化ソリューション」として打ち出した。生産設備やそれに付随する制御盤まわりに携われる人手が減るなかで、盤レス化ソリューションは救世主になり得るのか。

制御盤業界を悩ます人手不足問題

現在、制御盤を取り巻く最大の問題点として「人手不足」がある。社会の電化や、FA分野の自動化の進展にともない、その心臓部であり頭脳を担う制御盤の需要は増加している。一方で供給側は、装置メーカーの採用難、小規模の盤メーカーの廃業等も相まって人手不足が深刻化している。制御盤の設計、製造、立ち上げ、保全にいたるあらゆる工程で人手が減り、装置立ち上げ期間短縮のボトルネック、安定稼働と有事の早期復旧に対するリスクになっている状態だ。

特に生産ラインの稼働のために何百、何千面もの制御盤を抱える自動車メーカーは、そのデメリットを大きく被る当事者であり、制御盤のあり方と最適化について真剣に検討に入っている。

制御盤ライフサイクル変革への模索と盤レス

現状の制御盤は大型で配線が複雑であり、立ち上げ、保全への負担が大きく、追加や移設などレイアウト変更にも不便。そのため制御盤の小型化や設計製造プロセスの効率化、またモジュール型のような制御盤そのものの形や構造を変えることで状況を変えようという動きがある。

盤レスもこの流れの一環で、よく使う機器は盤の外に出して装置のそばに配置し、本体の制御盤は小型・シンプル化する。こうすることで現場での操作や管理、保全がしやすくなるような、箱のない制御盤、いわゆる「盤レス化」を模索している。海外の先進的な工場では、通常の制御盤と盤レスを使い分けているところもあり、日本でも実現したいという声が出てきている。

ただ盤レスの実現には、単に機器を箱の外に出せば良いというものではなく、機能や信頼性はそのままに盤外設置への対応が必須。これまで海外のFA機器メーカーからIP67準拠など盤レスに対応できる各種機器が発売されていたが、価格面や現場での使いこなしに対する不安などから採用はごく一部に限られていた。

それに対し今回、オムロンが日本メーカーとして本格的に盤レス対応機器を開発し、ラインナップを拡充。日本の製造業、機械産業における制御盤のあり方に新たな道を拓くソリューションとして「盤レス化ソリューション」の提供を開始した。

オムロンが提案する新たな制御盤のカタチ

盤レス化ソリューションでは、柔軟性、導入スピード、保全性をキーワードとした対応機器、例えば耐環境型IP67・パワーサプライやDC遮断ボックスをはじめ、CIP Safety対応 簡易ロジック機能付きセーフティI/Oターミナル 、EtherNet/IP対応 IO-Linkマスタユニット、IO-Link ADコンバータ、丸形防水コネクタ・ケーブルなど、これまで主に中継ボックスに入れていた電源や安全、I/O、接続について盤外設置に対応した商品群を展開する。

いずれもEthernet IPやIO-Linkなど標準的なオープンネットワークに対応し、かつこれまでと同様の使い勝手を実現した共通設計思想を採用することにより、生産方式やレイアウト変更にも柔軟に対応が可能。

複数の機器で分担していた機能を1つの機器に集約し、盤外設置に対応することで盤内の機器点数削減と省配線、中継ボックスレス化といった盤構造のシンプル化を実現。さらに配線接続に同社独自のM12スマートクリックコネクタを採用。これらにより設計工数と配線作業の効率化、保全の手間削減を可能にしている。

またネットワークに接続している機器は、その機器の状態や配線具合がひと目で分かるようになっており、トラブル時の不具合発見の迅速化など保全性の向上につながる機能を備えている。

特に今回は、大量の制御盤を抱え、人手不足のなかで関連業務が膨らんでいる自動車業界の現場の課題に対応するものとなっており、電源やI/O、セーフティが中心。しかし今後はPLCやインバータ、サーボアンプなど制御・コントローラ関連機器についても展開によっては検討していくとしている。

同社によると、盤レス化ソリューションの目指すところは、必要な機能を設備の近くに置き、制御盤自身とその関連業務を簡素化し、変化に対応しやすい新たな設備・現場づくりを支援すること。決して制御盤をなくすことではなく、これまでとは異なる制御盤のあり方を提示し、選択肢を増やすことで、制御盤に関する現場課題の解決に貢献するとしている。

https://www.omron.com/jp/ja/news/2026/09/c0928.html

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