令和の販売員心得 黒川想介 (157)FA販売員育成の3大要素 人柄、顧客視点、情報が重要
いまや商品が最寄り化して型式で売買されている制御商品も、草創期や成長期には難しい商品と言われていた。FA業界の草創期、販売員は「セールスエンジニア」と自称し、単に商品を売るだけのセールスマンとは一線を画していた。大半の制御商品が最寄り化している今日でも、FA営業が認める一流の販売員はセールスエンジニア寄りであり、その風土はいまも健在のようだ。
確かにFA営業が目指しているマーケットは、今後ますます技術的に高度化する。ITソリューションやロボットなどの複雑な生産設備が現場に入り込んでくる。そう思うとFA営業は、ますますセールスエンジニアとして販売員を育成するのが理想的だと言う思いが強くなる。
生産体系の高度化・複雑化がゆっくり進行するようであれば中堅のFA販売店営業も資本力をつけ、高度化・複雑化に対応できる技術力を持つ販売員の育成ができるだろう。進みの速さによっては高度化・複雑化していくFAマーケットは別物のマーケットと見做し、参入しないと判断するFA販売店営業もあるだろう。FA業界が目指している高度化・複雑化マーケットをどのように読むかが今後のFA販売店営業の戦略に関わってくるのだ。
元を辿れば、現在のFAマーケットはオートメーション需要を探すというところから始まっている。需要の中で工場の生産設備の需要が際立って大きくなったことで現在のFAマーケットが構成されたのだ。したがってFA業界が目指す、技術的に高度化・複雑化に向かうFAマーケットだけがオートメーションマーケットではない。
オートメーションは物事を合理化するにはもってこいの技術である。現在のFA営業が視野に入れている生産設備の自動制御化の他にも、工場内には合理化すべき物事が多岐にわたって存在する。顧客が昔からの慣行で行っている物事や気づかない潜在的な物事、顕在化しているが優先順位や資金的、技術的な難しさから先送りしている物事などもある。これらの中にはFA営業が積極的に関わって商談ベースに持ち込める物事もある。こうしてみると、高度化・複雑化するFA需要を別のマーケットとして遠ざけるFA販売店営業にとっても、これらは成長するオートメーションマーケットになるのだ。
こうしたオートメーションマーケットのルートを作るには、販売員育成の仕方を再考しなければならない。現在の販売店営業の新人教育では、営業実務と商品を一通り覚えさせて顧客を担当させることが一般的だ。顧客と種々の打ち合わせを繰り返し、メーカー研修や展示会等を通じてFAの中堅販売員になっていく。
FA販売店営業は文系出身者が圧倒的に多く、以前、入社2・3年の若い販売員に「担当者を訪問してどんな話をするのか」「困った事はないか」などを聞いてみたことがある。その時の回答は、顧客からの商品の電気技術的な問い合わせをされ、それを答えられなかったことに劣等感を覚えたと言っていた。技術的に難しいことを即答できるのがFA販売員であると言う企業風土は根強く、即答できないことを引け目に感じること以外に悔しい思いが出てこないのは、そのFA販売員が電気的に難しい商品を売る人になっているからだ。
令和期には、前述したように工場内には合理化する物事がたくさんあるし、工場の外で一次産業や三次産業に目をやると、合理化をしなければならない物事が新しく生まれている。そのようなマーケットでは、FA商品の組み合わせで解決できる場合もあれば、開発が必要なケースもある。いずれにしても難しい商品を売るのではないのだ。FA販売員といっても商人である。商人は対人 関係業であり、まずはビジネスコミニケーション力を育てることが第一。営業力には販売員の人柄、顧客視点、それに情報の3つの要素が大きく関係してくるのだ。
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