AIは人ができることを増やし、その質を高めるものである もっとAIを開発・活用していこう
11月に開催される自動車ラリーレースの最高峰・WRC世界ラリー選手権の日本ラウンド「フォーラムエイト・ラリージャパン2025」の開催概要が発表された。愛知県を中心とする地域での開催も4年連続ですっかり定着し、毎年の楽しみになっている。
ラリーでは、運転を担当するドライバーとナビを担当するコ・ドライバーの2人が1台に乗車し、協力し合ってゴールを目指すのが特徴だ。整備された専用サーキットを周回するのとは異なり、一般道、生活道路の1区間をコース(ステージ)とし、地域に点在するステージを転戦していく形で行われる。そのためコースの数も種類も多く、且つ生活道路だから場所によっては荒れていたりもする。それをドライバーがすべて覚え、その場で対応するのは不可能に近い。だからこそ情報担当のコ・ドライバーが徹底的に下調べをして助手席で逐次情報を伝え、ドライバーはその指示に従って運転に全集中する。2人が協力し合ってゴールを目指す。この協働作業はラリーの魅力と面白さの一つとなっている。
生成AIの登場により、ぐっとAIが身近になった。今でこそ私自身もAIを積極的に活用しているが、以前は「AIとどう付き合えばいいのか」に悩み、もやもやしていた。しかし資料の要約や記事執筆で生成AIを試すなかで、AIは人の隣にあって作業を分担するもの、自分の足りない部分を手伝ってくれるものという理解に辿り着き、もやもやは解消した。人とAIの関係は、まさにラリーでいうところのドライバーとコ・ドライバーなのだ。あくまで人が主体となりつつ、AIは別の業務で人を助けるサポート役。AIは人の仕事を奪うものではない。人のできることを増やし、その質を高めるものなのだ。私たちはもっとAIを理解し、もっと使い、もっと慣れていけば、生産性を高め、新しい発想を手にいれることができる。人の作業である限り、どんなものにもAIが効く部分は必ずある。AI活用は誰にとっても他人事ではない。うまく活用していくことが道を切り拓くことになるのだ。
