基礎から学ぶ中国工場管理〜実例で学ぶ管理のポイント〜 (37)

2020年2月19日

生産委託先・外注先の品質改善指導①

品質改善には認識の共有が重要

 

今回からは、外注・取引先の品質改善指導について書くことにします。

中国工場の生産委託先や外注先には当然、日系中国工場もあるとは思いますが、ここで書く生産委託先・外注先とは中国企業と捉えてください。つまり、取引先中国企業の品質を確保するための改善指導をどのように進めるかというテーマです。

重要な購買業務の一つに、購入品の品質確保があります。購入する部品や材料の品質がそれらを使用した自社製品の品質にいかに大きな影響をおよぼしているかは、工場で生産に携わっている方なら実感されていることと思います。

 

顧客が購入先である皆さんの会社に工場監査に来て、問題点を指摘し改善要求をするのは、顧客にとって皆さんから購入している部材の品質が、自社製品の品質に与える影響が大きいからに他なりません。

この外注指導を購買部門が担当している会社もあるでしょうし、購買部門は買う機能だけで改善指導する能力がない場合は、品管部門が担当している会社もあります。どちらかといえば、品管部門が担当しているケースの方が多いのではないでしょうか。

外注先への改善指導も日系中国工場であれば、日本国内でのそれに近い感覚でできると思いますが、相手が中国企業となると一筋縄ではいきません。これは多くの方が経験し、実感されているところでしょう。

 

1.中国企業に対してどのように臨めばよいか

(1)日系企業と同じ感覚で臨むのは無理

購買の担当者にしても品管の担当者にしても、多くの日系企業は、中国企業との取引に臨むときに日系企業に対するときと同じ感覚で考えている、臨んでいます。ですから、日系企業なら当たり前にできることも中国企業ではできない、約束を守ることが当たり前の日系企業と同じように中国企業も約束を守ってくれると考え、実際には守られず困惑するということが起きています。

品質改善に関して言えば、こちらが要求・依頼した改善対策を日系企業と同じように対応をしてくれて改善が進むということはまれです。日系企業では当たり前に対応してくれたことでも中国企業では当たり前ではありません。日本企業ができたから中国企業でもすぐにできると考えるのは早計です。

では、日系企業と中国企業とではどんな違いがあるのでしょうか。

 

例えば、

・経営者の考え方や姿勢(日本=品質重視・顧客第一、中国=利益重視・自社都合優先)
・技術力(会社としての技術力、従業員の技術レベル)
・管理力(品質管理、工程管理、工場管理)
・従業員の意識(日本=意識レベル・品質意識が高い、中国=高くない・持っていない)
・予防保全の意識(日本=あり、中国=あまりない)
・約束やルールに対する意識(日本=守る、中国=守る意識はない)
・外観品質に対する認識(日本=非常にうるさい、中国=許容度大)

などがあるでしょう。

こうした違いがあることを理解して、中国企業は日本企業とは違うと認識すること。加えて、この認識を会社全体で持つことが必要だと思います。そうでないと、担当者だけが苦労することになります。そして必要なことは、こうした違い・ギャップを埋める作業をしなければならないということです。少しでも、こちら(日本企業)と同じ認識を持ってもらうようにしていくことが重要です。

 

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◆根本 隆吉
KPIマネジメント代表・チーフコンサルタント。電機系メーカーにて技術部門、資材部門を経て香港・中国に駐在。現地においては、購入部材の品質管理責任者として購入部材仕入先品質指導および品質改善指導。延べ100社に及ぶ仕入先工場の品質改善指導に奔走。著書に「こうすれば失敗しない!中国工場の品質改善〈虎の巻〉」(日刊工業新聞社)など。