オートメーション新聞N0.403を発行!24年度のFA・制御機器市場まとめや主要各社の24年度決算など掲載中

三菱電機、リニア搬送システム「リニアトラックシステムMTR-Sシリーズ」発売 柔軟なレイアウトと個別高速制御で生産ラインを変革

三菱電機は、リニア搬送システムとなる「リニアトラックシステムMTR-Sシリーズ」を発売した。
同製品は、レール(軌道)と制御の役割を果たすトラックモジュールを組み合わせ、それに沿って走るキャリアを個別にコントロールして高速かつ高精度の搬送を可能にする次世代搬送システムの一種。大量のワークを一定方向に同一速度で運ぶ従来のコンベア・搬送装置に対し、個々のワークを管理下に置きつつ高速に運ぶことができ、少量多品種や混流生産、マスカスタマイズに適した搬送システムとして、ここ数年、注目を集めている。
搬送速度は最大4m/sで、キャリアを個別に制御しながら高速・高精度搬送が可能。キャリア同士の間隔や速度も自在に制御できるので、機械や治具などの段取替えを最小限に抑えられる。
リニアトラック上での加工にも対応し、ワークを加工台に移動する手間と加工台を設置するスペースの両方が不要。加えて、コントローラ1台でリニアトラックと周辺の加工装置を制御できるので、従来は加工時にはストップ&ゴーで完全停止が必要だったものが、加工時は低速、搬送時に加速・高速とすることでタクトタイムを短縮し、生産性をさらに高めることができる。
トラックモジュールは直線、円弧、真円形状を用意し、横置き、縦置き使用も可能。直線やオーバル(楕円)、真円など柔軟に組み合わせ、水平や垂直循環、インデックステーブルなど自由に多彩なルートを描いてラインをレイアウトすることができる。組み付け作業は、ボルトの締結のみで位置決めやレールの段差補正ができ、細かな調整がいらず、簡単に組み付けることができる。
キャリアは、幅48mm・可搬質量3kgタイプと、幅98mm・可搬質量10kgの2タイプをラインナップし、ワークに合わせて選択可能。高剛性のホイールガイドによって曲線部でガタが出ず、かつ長寿命使用を実現。金属ホイールとレールには自動潤滑装置を搭載し、いつでも滑らかな駆動を実現している。
プログラミングは、MR-J5シリーズサーボアンプと同様で行う形となり、モーションユニットにリニアトラック制御用アドオンをインストールしてリニアトラック専用のモーション機能が使用できるようになる。キャリア通過バッファ機能、衝突回避機能なども備え、複雑な動作パターンも簡単にプログラミングが可能となっている。

https://www.mitsubishielectric.co.jp/fa/topics/2025/05_linear/index.html