儲かるメーカー改善の急所101項【急所94】5Sにおける躾(しつけ)とは 人を躾けるのではなく、企業を躾けよ。

5Sとは整理・整頓・清掃・清潔・躾の5つであり、すべてがサ行のSの音で始まるので5Sと呼ばれるといったことは皆さんご存知だと思います。どちらかというと製造業で使われる言葉でありますが、街中の工事現場に掲示されていたりもしますから一般の方でも目にしたことがある言葉であるかもしれません。
私も社会人になって50年近く、ずっと5Sを実行してきていますが、実は今日初めて知ったことがありました。5SはJISで定義されているのですね。
JIS Z 8141-5603
①整理: 必要なものと不必要なものを区別し、不必要なものを片付けること。
②整頓: 必要なものを必要なときにすぐ使用できるように、決められた場所に準備しておくこと。
③清掃: 必要なものに付いた異物を除去すること。
④清潔: 整理・整頓・清掃が繰り返され、汚れのない状態を維持していること。
⑤躾:  決めたことを必ず守ること。
多くの工場で5Sを実行しておられますが、最初の3つのSは実際に体を使って行う行動ですので分かりやすいですが、次の2つのSは少し分かりにくいですね。そしてとても重要なこととして、会社経営における「躾」とは、人に対する躾の前に、まず企業に対して行う必要があるということです。決めたことを必ず守ることとありますが、何をどう決めているかが原点です。
企業の理念や方針が躾けられていないと、どんなに社員の皆さんが5Sを実行しても形だけとなってしまう恐れがあります。何のためにするのかが分からないからです。事故の多発や様々な倫理問題、法令違反などが起きるとしたら企業が躾けられていない証拠となるのではないでしょうか。これを人の躾の問題としてだけ考えるのは間違いだと思います。
5Sの実行は製造業の基本中の基本でありますが、その中の躾とは、企業に対しての言葉であって企業が躾けられているということを前提とすると考えてはいかがでしょうか。その結果、5Sは商品と社員の品質の証として活用されるのです。

■著者プロフィール

【略歴】柿内幸夫 1951年東京生まれ。(株)柿内幸夫技術士事務所 所長としてモノづくりの改善を通じて、世界中で実践している。日本経団連の研修講師も務める。経済産業省先進技術マイスター(平成29年度)、柿内幸夫技術士事務所所長 改善コンサルタント、工学博士 技術士(経営工学)、多摩大学ビジネススクール客員教授、慶應義塾大学大学院ビジネススクール(KBS)特別招聘教授(2011~2016)、静岡大学客員教授。著書「カイゼン4.0-スタンフォード発 企業にイノベーションを起こす」、「儲かるメーカー 改善の急所〈101項〉」、「ちょこっと改善が企業を変える:大きな変革を実現する42のヒント」など。

一般社団法人日本カイゼンプロジェクト

改善の実行を通じて日本をさらに良くすることを目指し、2019年6月に設立。企業間ビジネスのマッチングから問題・課題へのソリューションの提供、新たな技術や素材への情報提供、それらの基礎となる企業間のワイワイガヤガヤなど勉強会、セミナー・ワークショップ、工場見学会、公開カイゼン指導会などを行っている。
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