【2023年 年頭所感】(一社)日本ロボット工業会 会長 山口 賢治 市場拡大へ向けて役割積極

新春を迎え、謹んで新年のお慶びを申し上げます。

昨年は当会が創立50周年を迎えたことで、10月に記念事業として「記念シンポジウム」や「記念式典」等を実施いたしました。関係各位及び会員各位のご協力のもと盛会裏に終了することができましたことをご報告致しますとともに、厚く御礼申し上げます。

さて、世界経済はロシアのウクライナ侵攻の長期化によるエネルギー供給不足での価格高騰に伴い、世界的インフレ圧力が、更には中国での新型コロナウイルス対応や不動産危機等での景気悪化が見られます。このようななか、国際通貨基金の世界におけるGDP見通しでは、2021年の成長率6.0%が、昨年は3.2%、そして今年は2.7%にまで減速するとの観測にもあるように、世界経済の減速懸念を抱えたなかでの幕開けとなりました。

このような状況の下、2022年の我が国ロボット産業は、半導体をはじめとする部品不足や中国でのロックダウン等による影響が見られましたが、国内外とも自動化投資意欲に支えられ、2022年は、受注額で対前年比2.9%増の約1兆1,100億円となるとともに、生産額では5.5%増の約9,910億円が見込まれます。

そして、今年のロボット市場は、様々な問題が徐々に改善されることを期待するとともに、堅調な自動化需要に支えられ、受注額は対前年比3.6%増の1兆1,500億円、そして生産額は6%増の1兆500億円と生産額においても初の1兆円超えとなることを期待しております。

当会の今年の活動ですが、50周年記念事業として「ロボット産業ビジョン」の策定と「50年史」の編纂が残っておりますが、いずれも本年度内での完成に向け、現在、鋭意取組んでおります。特に、「ロボット産業ビジョン」については、今回が完成版ということではなく、委員会体制を残し、継続的に議論を続けることで、アップグレードしていくことを考えております。

これらに加え、業界活性化のさらなる推進に向け、昨年に引き続き以下の3点を重点項目として取り組む所存です。

第一は「市場拡大に向けた取組」です。

当会ではロボット革命・産業IoTイニシアティブ協議会との連携のもと、ロボット市場の拡大に向けて、その役割を引き続き積極的に務めて参ります。

また、ロボットの利活用推進にとってシステムインテグレータの役割は極めて重要ですが、当工業会内の「FA・ロボットシステムインテグレータ協会」も今年で設立5年目を迎え、SIer業界の経営基盤や事業環境の向上、さらには専門性の高度化に向け、活動の一層の充実を図り、また組織的にも更なる発展を目指していくこととしております。

第二は「イノベーションの加速化に向けた産学連携の推進」です。

グローバル市場での我が国の優位性確保や潜在市場の顕在化のためにもイノベーションの加速化が急務となっており、引き続き日本ロボット学会をはじめ関係学会及び関連業界との連携に努めることとします。

第三は「国際標準化の推進、国際協調・協力の推進」です。

国際標準については、欧米が市場獲得の手段として戦略的に取り組んでおりますが、我が国としてもリーディングカントリーとして官民挙げて国際標準化活動に対して引き続き積極的に取り組むとともに、国際ロボット連盟を通じた活動並びに国際交流を積極的に推進していく所存です。

また、本年は、5月31日~6月2日にかけ「第24回実装プロセステクノロジー展」を、そして11月29日~12月2日にかけて「2023国際ロボット展」の2つの展示会を、コロナ禍以前の状況での開催を目指し実施致します。両展示会を通じて技術情報の発信とともに様々な分野へのロボット利用拡大への意欲を喚起することに加え、市場調査、技術振興等の各事業を意欲的に展開する所存です。

引き続き関係各位の一層のご支援とご協力をお願い申し上げますとともに、皆様のご活躍とご発展を祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

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