良薬は口に苦し 反対意見や疑問点にこそお宝は眠っている

Twitterは面白い。脈略もなく、突然、ニッチな言葉がトレンドになったりする。多くはテレビや雑誌、新聞などで取り上げられた言葉がトレンドに上がってくるが、時折、「?」と思ってしまうような言葉が出てくる。例えば「ラッダイト運動」。8月29日あたりだとこれがトレンドになっていた。普段の生活では絶対に使わないであろう言葉。なぜこれがトレンドになっていたのだろうか。

ラッダイト運動とは、産業革命時期のイギリスで、手作業が蒸気機関によって機械化されていくなかで、一部の労働者が自分たちの仕事を奪うといって機械破壊活動を行なった事件のことだ。歴史的には労働運動のはしりと評価される事件だが、その一方で現代では、時流に乗り遅れることや、それに対して不平不満を述べる人を揶揄する言葉としても使われる。今回のケースでは、人物イラストを学習させるとそれに似たようなテイストのイラストが自動作成されるイラストAIサービスがリリースされ、どうやらその話題からの派生でラッダイト運動が出てきたようだ。イラスト関連の人から「こんなAIが普及したら誰でもイラストが描けて、仕事や趣味を奪う」という声が多く上がっており、それらに対して周りの人たちが「現代のラッダイト運動だ」と揶揄し、その対立が盛り上がってTwitterのトレンドに入ってきたようだ。

新しい技術が出てきて、古い仕事がなくなっていくのは、人間の歴史上これまでも繰り返されてきた話。AIでイラストを描く、文章を書くなんてことは広がっていくし、その関連の職業がなくなるかもしれないというのは、その通りだ。だからと言って、そこで声を上げている人々の声や指摘を無視し、単に揶揄して切り捨ててはいけない。彼らは長くその技術で実際に作業をしてきた経験者やその文化を楽しみ、支えてきた人々。経験から得た知見や鋭い肌感覚を持つ人々が、新しいアイデアに対する違和感や懸念点、疑問点から声を上げているのだ。その指摘やフィードバックは貴重な意見であり財産。その声に向き合わないのはもったいない。「良薬は口に逃し」。ラッダイト運動と鼻で笑うのではなく、彼らの意見をもとに改善や修正を加えていくことが、さらなる技術やサービスの向上につながる。立場の異なる幅広い意見を取り入れることが重要だ。

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