儲かるメーカー改善の急所101項【急所61】設備と節約への考え方

電気は、消すより消えるようにしろ。

経費削減で電気代を少しでも節約するために、照明を間引いたり、明かりが不要な時には消灯の号令をかけている工場は多いと思います。誰もいない倉庫を明るく照らす必要はありませんからこの指示は筋が通っています。しかしこの消灯は言うのは簡単ですが、実行には結構な困難があります。

もちろん電気でも水でも、ムダに使うことは許されません。しかしそれらの実行を人間の意識に頼った節約やコストダウンで実現しようとすると、ある一定以上のレベルに達すると、必ず品質の劣化や事故が起きるようになります。

よくあるのは消し忘れです。あわてていたり、そうでなくともうっかりして消し忘れることはよくあります。しかし何度も「消し忘れている!」と注意されていると、電気を消すことに意識が行って作業がおろそかになったり、電気が消されているかチェックばかりする人がでてきたりすることもあるのです。

あるいは見通しの悪い倉庫では、まだ人が残っていることに気付かず電気を消してしまうことも起きるでしょう。残っていた人が突然暗くなって、あわてて事故を起こすこともあり得ます。

今はセンサーも随分と安く買えるようになりました。センサーによる自動化ができれば、人の気配で自動点灯・消灯ができるし、安全に効果を上げることができます。

これからの時代にこのような簡単な自動化は仕事の前提になります。多くの工場では既にこれらは当たり前に行われていますが、これから設置予定の工場においては、できるだけご自分でできることを探してやってみるようにしていただきたいと思います。大げさに聞こえるとは思いますが、私はこのようなことが工場のIT化の第一歩につながると考えているからです。

■著者プロフィール

【略歴】柿内幸夫 1951年東京生まれ。(株)柿内幸夫技術士事務所 所長としてモノづくりの改善を通じて、世界中で実践している。日本経団連の研修講師も務める。経済産業省先進技術マイスター(平成29年度)、柿内幸夫技術士事務所所長 改善コンサルタント、工学博士 技術士(経営工学)、多摩大学ビジネススクール客員教授、慶應義塾大学大学院ビジネススクール(KBS)特別招聘教授(2011~2016)、静岡大学客員教授。著書「カイゼン4.0-スタンフォード発 企業にイノベーションを起こす」、「儲かるメーカー 改善の急所〈101項〉」、「ちょこっと改善が企業を変える:大きな変革を実現する42のヒント」など。

一般社団法人日本カイゼンプロジェクト

改善の実行を通じて日本をさらに良くすることを目指し、2019年6月に設立。企業間ビジネスのマッチングから問題・課題へのソリューションの提供、新たな技術や素材への情報提供、それらの基礎となる企業間のワイワイガヤガヤなど勉強会、セミナー・ワークショップ、工場見学会、公開カイゼン指導会などを行っている。
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