儲かるメーカー改善の急所101項【急所59】重力の利用→材料は上に、製品は下に。

モノづくりの職場で使う機器は進歩していて、いろいろな部分が自動化され便利になっています。しかし設備の導入にばかり目を向けていると、自然が持つ本来の力を活用しきれずムダな投資や動きをしてしまうこともあるのです。例えば、離れている二つの設備をコンベアやAGV(自動搬送機)でつなぐことで運搬作業を楽にするというアイデアですが、設備を移動して設備間の距離をなくすことができれば不要かもしれません。もとは「運搬のムダ」があることが問題なのですから、運搬そのものをなくすることがベストの改善です。AGVの導入で運搬がなくなったわけではないからです。人による運搬がなくなっただけで相変わらず運搬そのものは存在しています。

同様の観点で現場を見るといろいろなアイデアが生まれてきます。

モノづくりは、原材料から加工が進むほど取り扱いに慎重さが求められます。原材料の時は大きなハコや袋にドカンと入れられていたものが、最終製品になって出荷される時には瓶詰めや箱詰めにして、荷造りした商品がトラックに積まれて運ばれていく姿を見れば一目瞭然です。

取り扱いが最も簡単なのは材料です。もし複数階ある工場であれば、材料を一番上の階に運んで、工程ごとに下の階に降ろしていくといいですね。上から下への移動であれば、重力を生かしてタダで運ぶこともできる可能性があります。材料の入庫から順に下から上へと運搬している工場を見たことがありますが、エレベーターでの運搬はとても大変そうでした。

ワンフロアの工場でも工程の順に下に移動するということができないかを考えるといいと思います。トラックへの荷積みも傾斜を利用できれば大いに人手が助かります。

今回は重さとか距離についてお話をしましたが、あらためてそういう目で見てみると改善できるところが見つかるものです。

■著者プロフィール

【略歴】柿内幸夫 1951年東京生まれ。(株)柿内幸夫技術士事務所 所長としてモノづくりの改善を通じて、世界中で実践している。日本経団連の研修講師も務める。経済産業省先進技術マイスター(平成29年度)、柿内幸夫技術士事務所所長 改善コンサルタント、工学博士 技術士(経営工学)、多摩大学ビジネススクール客員教授、慶應義塾大学大学院ビジネススクール(KBS)特別招聘教授(2011~2016)、静岡大学客員教授。著書「カイゼン4.0-スタンフォード発 企業にイノベーションを起こす」、「儲かるメーカー 改善の急所〈101項〉」、「ちょこっと改善が企業を変える:大きな変革を実現する42のヒント」など。

一般社団法人日本カイゼンプロジェクト

改善の実行を通じて日本をさらに良くすることを目指し、2019年6月に設立。企業間ビジネスのマッチングから問題・課題へのソリューションの提供、新たな技術や素材への情報提供、それらの基礎となる企業間のワイワイガヤガヤなど勉強会、セミナー・ワークショップ、工場見学会、公開カイゼン指導会などを行っている。
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