儲かるメーカー 改善の急所 101項 (3)

2020年8月19日

■急所3
動作経済の四原則その① 距離
   ↓
距離を短くする

 

これから4回にわたって「動作経済の四原則」という動作に関する便利な原則の話をいたします。製造業で仕事をするということは、材料に何らかの作用を加えて付加価値を付けていくことといえるでしょう。そしてその付加価値を付ける方法として、人の手でモノを組み立てたり、あるいは設備を使ってモノを加工したり変化を起こさせたりということがあると思います。

そしてこれからお話しする4回の内容は、基本的に人の手の動きでモノを組み立てたり作ったりする動作についてのお話しです。

 

良い動作とはどういうことだと思いますか? ムダな動きがないので、生産性が高く、良いモノが作れて、疲れない。こんな感じではないでしょうか。そしてこの動作に関しては既にかなり多くの研究がされています。そしてその創始者ともいえる人がフランク・ギルブレス(Frank Gilbreth1868-1924)というアメリカ人です。

ギルブレスは人の全ての動作を「掴むG」、「放すRL」、「位置決めするP」、「探すSH」、「(次に行うことを)考えるPN」などの17の要素に分け、それをサーブリッグ(therblig。自分の名前のGilbrethを逆に書いた)という記号に置き換えてよい作業を作る方法を確立しました。

動作経済の四原則はそれらの研究をベースにして、かなり簡略化された使いやすく効果的な原則といえるもので、私は常にこの4つで動作をチェックしています。

一、距離を短くする
二、両手を同時に使う
三、動作の数を減らす
四、楽にする

の4つです。

 

そしてその一番目は「距離を短くする」です。「今使うモノを近くに置く」ということです。「当たり前過ぎ!」と思う方も多いことでしょう。

しかし実際に現場に行ってそこで働いている人の動きを見てみましょう。モノが近くどころかナゼ! というくらい遠くに置かれていることが多いのです。入れ物が大きいので手を伸ばして取っている。置き場所がないので床上に置かれている。いつか使うだろうモノがいつも置いてあるので、今使うモノが遠くに置かれている。共通工具なので二人の作業者の中間に置かれている。などなどちっとも近くない置き方がたくさんありませんか?

当たり前だからまずガッチリやりましょう。運搬では付加価値は付きません。

 

日本カイゼンプロジェクト 会長 柿内幸夫
1951年東京生まれ。(株)柿内幸夫技術士事務所 所長としてモノづくりの改善を通じて、世界中で実践している。日本経団連の研修講師も務める。経済産業省先進技術マイスター(平成29年度)、柿内幸夫技術士事務所所長 改善コンサルタント、工学博士 技術士(経営工学)、多摩大学ビジネススクール客員教授、慶應義塾大学大学院ビジネススクール(KBS)特別招聘教授(2011〜2016)、静岡大学客員教授 著書「カイゼン4.0 – スタンフォード発 企業にイノベーションを起こす」、「儲かるメーカー 改善の急所〈101項〉」、「ちょこっと改善が企業を変える:大きな変革を実現する42のヒント」など

 

一般社団法人日本カイゼンプロジェクト

改善の実行を通じて日本をさらに良くすることを目指し、2019年6月に設立。企業間ビジネスのマッチングから問題・課題へのソリューションの提供、新たな技術や素材への情報提供、それらの基礎となる企業間のワイワイガヤガヤなど勉強会、セミナー・ワークショップ、工場見学会、公開カイゼン指導会などを行っている。
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