【2018年年頭所感】日本包装機械工業会 会長 大森利夫「海外開拓へ情報発信を強化」

2018年を迎えるにあたり、謹んで新年のごあいさつを申し上げます。

皆さまには、輝かしい新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。

さて、昨年のわが国経済は、デフレから脱却を確実なものとし、経済再生と財政健全化を実現していくため、政府による経済対策など政策効果もあり景気の回復基調が続いております。しかしながら、今後さらに労働需給が一段とタイト化する中、産業活動の基盤への負の影響の懸念も顕著になりつつあります。

海外に目を向けると欧米の景気が回復してきており、新興国市場においても消費ニーズの拡大など内需を中心に持ち直し傾向がみられます。他方、米国の政権・政策運営の不透明感や北朝鮮情勢を巡る対外的な緊張感の高まりなど、金融市場の動揺のリスク要因には注意が必要です。

政府においては、地域経済の早期回復や産業復旧に取り組んでいただくとともに地域や中小企業事業者の経済の好循環のさらなる拡大に向けた施策を期待しております。

16年度のわが国包装機械産業の生産実績は、継続的な設備投資促進税制の効果や北米、アジアなどの海外市場開拓等の成果もあり、対前年度比5.2%増の4295億円を記録しました。今後、成長する新興国市場等において海外メーカーとの競争に打ち勝つためには、わが国もこれまで以上の国際化戦略が求められる時期になっています。会員の皆さまには積極的に海外情報を収集し、新製品・新技術情報を全世界のユーザー企業に向けて発信強化することで海外市場開拓につながり、経営基盤の安定化をもたらすと確信しています。

また、包装機械を含めたものづくり産業を取り巻く経営環境は大きな変革期にあり、さまざまな分野においてロボット、IoT、ビッグデータ、AIなどの先端技術を活用しながら産業のイノベーションを起こしていくことが、製造業のみならず社会全体への進化につながるものと思います。その実現に向けて、企業間・産業間・産学間の連携を強化し、新たな付加価値を高めていきたいと考えています。

わが国の包装機械産業は食品、医薬、日用品・化粧品、流通等の生活産業全てのユーザー産業の生産の高度化に寄与することで安全・安心な生活基盤の維持に貢献すると同時に、少子高齢化等の社会構造の変化、環境問題、食料問題等の課題解決に向けても積極的な取り組みを強化したいと思います。そのためにも、これまで以上に海外の包装関連の調査研究、技術高度化、人材育成、広報・販売、展示会等の事業を幅広く展開いたします。これらの事業を通じて会員の皆さまのベネフィットにつながる事業の具現化にも努めてまいります。

昨年10月には関係の皆さまのご協力により当会にとりまして最大のイベントである「JAPAN PACK 2017 日本国際包装機械展」を開催することができました。「新しい包程式、ここに集まる。」をテーマに出展企業の新技術、新製品の発表や関連業界の皆さまとの共同事業などを展開いたしました。次回は19年10月に幕張メッセで開催いたします。関係の皆さまにはこれまで以上の絶大なご支援をいただきユーザー産業と包装関連産業双方の皆さまのビジネスの発展に貢献していきたいと考えております。

本年は、昨年の当会創立50周年から新たな一歩を踏み出す重要な年になります。今後の国際的な大きな変革期を見据えて次世代へとバトンをつなげていきたいと思います。

本年も当会事業へのあたたかいご支援ご協力をお願い申し上げます。

年頭にあたり、皆さまのますますのご繁栄とご健勝を祈念し、ごあいさつとさせていただきます。

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