【FAセンサ特集】市場急拡大フル生産続く 半導体・自動車・ロボット・工作機械が牽引

FAセンサの市場が急拡大している。半導体、スマホ、自動車、インフラ関連をけん引役に需要が急増しており、フル生産の状況が続いている。人手不足、人件費上昇、高精度なものづくりなどを背景に、製造業の設備投資意欲は依然旺盛で市場拡大の要因になっている。インダストリー4.0やIoTへの取り組みが進む中で、センサとつないだIO-Linkなどネットワーク対応の製品も各社から販売され、新たなトレンドになりつつある。物流やセキュリティ分野なども新たな拡大市場として期待されており、しばらくは右肩上がりの需要が続くものと思われる。

製造業の設備投資旺盛

日本電気制御機器工業会(NECA)の2016年度(16年4月~17年3月)の検出用スイッチ出荷額は1087億円で、15年度比105.0%となっている。特に下期は568億円(前年同期比111.4%)と大きく伸長。その好調さは17年度に入っても継続しており、17年度第1四半期は同119.9%の302億円となっている。年間に直すと1200億円を超えることになり、検出用スイッチ出荷額としては過去最高となる。

FAセンサを取り巻く市場環境は総じて明るい。半導体関連、自動車関連、さらには工作機械、ロボット、インフラ関連で旺盛な需要が出ている。

FAセンサの大きな市場である半導体・FPD製造装置は、日本半導体製造装置協会(SEAJ)による半導体・液晶製造装置の販売高は、16年度が前年度比23.1%増の1兆9805億円と、近年にない高い伸びとなっており、17年度も10.6%増の2兆2663億円と過去最高を更新する予測となっている。

半導体・FPD製造装置は、FAセンサでファイバセンサなど、比較的付加価値が高いセンサが多く使用される。また、ウエハ用マッピングセンサ、真空対応センサなど特殊なセンサも数多く採用されるため、センサメーカーにおいては重要な市場である。

IoTに伴う情報化で半導体を使用する情報端末、カメラ、自動車の自動運転などに代表される分野での投資が継続している。液晶も有機ELがスマホ、さらにはテレビなどに拡大しようとしており、投資拡大につながっている。

ロボットも、大きな飛躍期に入ってきている。海外では人件費の高騰や高精度なものづくり需要に対応して導入が進み、国内でも人手不足や安定した品質の確保、さらには介護やサービス用など、製造業、非製造業の両面から採用が増えている。

日本ロボット工業会(JARA)の16年の生産は過去最高の7000億円を突破し、17年は7500億円まで拡大する見通しを立てている。しかし、実態はさらに上振れ基調で推移しているとみられる。日本政府も、ロボットの普及に向けた補助金施策を強化しており、製造業、非製造業のあらゆる用途で導入に向けて検討が進んでいる。

工作機械も、16年12月以降は前年同月比プラスとなっており、前年同期比2桁増と高い伸びが継続している。月ベースでは1300億円前後で推移していることから、17年の年間では前年度比20%増の1兆5000億円を超えて、過去最高を更新する勢いを見せている。17年の出荷予測は当初1兆3500億円としていたことから、大きく上振れするものとみられる。欧米市場が好調で、中国市場も回復基調で推移していることで、引き続き旺盛な受注が見込める。

市場規模は決して大きくないが、FAセンサの安定した市場となっている食品・医薬品・化粧品の3品業界は、製造ラインにおける各種認識・識別、不良品検知などの用途で、需要が引き続き拡大している。国内景気の持ち直しから、内需も旺盛なため、設備投資も堅調に推移している。「安全」「安心」といったキーワードに即して検査装置の導入も活発で、昨今の異物混入問題から、トレーサビリティ用途での投資も堅調に推移すると思われる。特に食品分野ではロボットの活用が広がり、さらなる拡大が期待されている。

光電・近接センサ、需要安定

FAセンサの中でも市場の大きい光電センサは、LEDや半導体レーザを光源にした非接触センサで、主にワーク(製品・部品)の有無確認のために用いられる。検出方式は透過型、回帰反射型、拡散反射型などがあり、年々性能が向上している。長距離検出には透過型が最適である。回帰反射型は、透過型で必要だった投光部と受光部の配線が不要で、その代わりにセンサの対向側に反射板を配置し、配線工数や設置工数を半減できる。特に反射型の性能向上、コストダウンが最近顕著で、従来苦手であったワークの色変化や傾きに強いタイプや、水や油などの環境に強いタイプなども存在感を増してきている。そのほか、超小型ヘッドで取り付けスペースが小さいアンプ分離型、非FA分野で多く使われる、AC電源で使用でき取り扱いが容易な電源内蔵型、取り付け場所を選ばず微小物体も検出できる光ファイバー式などがある。

特に光ファイバー式は、先端のファイバー部のラインアップが多彩で、取り付けや用途に合わせて選定がしやすくニーズが高い。大手センサメーカーでは数百種もラインアップをそろえるなど、あらゆる用途に用いられる。アンプ部も数値管理できるタイプが主流になってきており、パワーや精度、コストといった基本性能もさることながら、制御機器との通信機能、他センサとの互換性など各社さまざまな機能で差別化を図っている。

半導体や液晶製造装置では、微小物体検出用として、高精度、ローコスト、取り扱いやすいことから光電センサの需要が多く、大きな市場を形成している。最近は、小型化と長距離検出、高い保護特性など進化し、検出距離50メートル、保護特性IP69Kなどの製品も伸長している。特に耐環境性が高い製品は、従来接触式センサが用いられてきた工作機械などの分野でも採用が進み、装置設計の自由度を高めることに貢献している。

食品機械などの光沢検出、包装機械などでのマーク検出の分野では、従来色判別用光電センサが主力であったが、画像センサのローコスト化により、求められる速度や、検出内容により使い分けられるケースが増えている。カメラ、照明、カラーモニタを一体化したローエンドセンサの導入も増加傾向である。同センサは、色面積や印字有無判別、シール有無判別、シール異種混入判別、文字認識などが容易に行える。3品業界では、このようにユーザーのニーズに合わせた用途限定センサや提案解決型センサなど専用センサの需要が高まっており、余分な機能を省くことでローコスト化が図られている。

光電センサは、オートチューニング機能など使いやすさを追求した機能が一般化している。また、多点制御や差動検出など入光量をアナログ的に制御できるアナログ出力の光ファイバー式光電スイッチもある。最近では通信機能も備え、PLCと通信して、設定値を集中管理できるタイプも普及してきている。自動感度補正機能も各社搭載しており、ファイバー先端に汚れによる光量低減が生じても自動的に感度を補正するだけでなく、先端部の清掃を行った後も自動で元の感度に復帰するもので、再ティーチングの必要がない。また、光源に用いられているLEDの経年劣化による光量低下にも追従するタイプもある。

さまざまな対象物のインライン形状計測を実現した2次元形状計測センサは、帯状に広げたレーザ光を対象物に照射し、その反射光をCCDで撮像し、断面形状を計測する非接触型センサで、撮像情報から形状のプロファイルを生成し、対象物の断面形状(2次元形状)から、高さ・段差・幅・位置・交点・傾きなどの寸法形状を瞬時に計測。従来は数百万円していたが、数十万円で導入できるようになってきており、複数センサを使用していた用途を1台のセンサでカバーするなど導入によるコストダウンも見込まれる。

近接センサは、耐環境性に優れている。高温・多湿、水中などで使用できるという、他のセンサにはない独自の特徴がある。直径が3ミリの超小型タイプや、オールメタルタイプなどラインアップも増え、金属体、非金属体の混流ラインでも使用できる。検出距離は、数ミリ~数十ミリが一般的だが、最近は長距離タイプも発売されている。

期待高まるIO-Link AIと連携、予知データ活用へ

安全対策用センサも各種ある。マットスイッチ、ライトカーテンなど、接触式、非接触式など多様で用途に応じ使い分けされている。中でもセーフティレーザスキャナは、ソフトウェアで危険領域を限定でき、ロボットが使用されている工程や、無人搬送車などにも搭載されている。セーフティライトカーテンも、設計や取り付け・調整などの手間を省く改良がされ使いやすさが増している。光を用いた同期をすることで、省配線を実現、複数のセンサを使用しても干渉しない工夫がされているタイプもある。従来は誤作動による原因追求に工数がかかっていたが、LED表示や通信により、状況を知らせる機能も各社強化しており、導入後の工数も削減できる。

レベルセンサは、液面や粉体面が設定レベルになった時に信号を出力するセンサ。一般的なタンクや容器内の内容物のレベルを検出する用途が多いが、河川や湖沼の水位・水量測定、下水や排水の液面測定などにも利用されている。最近では、災害防止の観点から設備を強化する取り組みが行われており、無線通信機能を持たせて遠隔地のデータを伝送できるタイプや、光ファイバを用いた通信を採用し、強いノイズ環境でも使用できる製品も現れている。さらに、自動車や二輪車などのエンジン周りや、外食産業の厨房にも採用されており、新規市場への浸透が進んでいる。レベルセンサに温度センサを内蔵し一体化することで、スペースの削減とトータルコストの低減も図られている。

このところ注目されているのが超音波センサだ。比較的超距離・広範囲の検出ができるのが特徴であるが、近距離での特性も向上している。また、超音波センサを複数同時使用時の音波のクロストーク対策として、自動同期機能を内蔵した製品も発売され、信頼性も高まっている。

ロボットの用途開拓が進むなかで、測域(レンジ)センサのアプリケーションも拡大している。測域センサは、周囲の障害物などの状況を把握する。レーザ光線で対象物までの距離を測定し、270度の視野に対して自分を中心に平面地図のような測域情報を得ることができる。長距離で高感度の検出が可能なため、最近では立体駐車場や、トンネル前での車両の高さ検出など、屋外や交通分野、さらに安全分野を中心に用途が拡大している。この領域では、画像データと組み合わせて精度を向上させる取り組みもなされており、活用の場が広がっている。

MEMS技術を応用したセンサは、フローセンサ、加速度センサ、非接触温度センサなどが挙げられる。フローセンサは、外乱による影響が少なくなり、高速応答を実現している。高感度のMEMS非接触温度センサは、広い空間でも人のセンシングが可能で照明環境に強く、静止している人もセンシングする。店舗や駅構内など、人の混雑状況をリアルタイムにセンシングすることで空調制御などのほか、防犯対策用としても需要が伸びている。加速度センサは、ロボット制御などでも活用されており、小型化、高精度化が年々進んでいる。MEMSセンサでは、モーターなどの音や振動エネルギーの異常振動を察知し、予知保全に応用できるMEMSセンサシステムもある。

インダストリ4.0やIIoTなどの新しい流れの中で、センサの果たす役割はますます大きくなっている。こうした中で、センサのデータ通信としてIO-Linkの活用が注目されている。IO-Linkは拡張性に優れた通信で、いままで利用できなかったセンサ内部の情報をユーザーがアクセスでき、しかもリアルタイムでクラウドベースでも利用できることで、最適制御、予知保全などへ大きく利用領域が広がる。センサをさらにインテリジェント化できるネットワークとして今後利用が大きく増えそうだ。センサのON-OFF情報だけでなく、状態管理、緊急判断といった場面でのAIと連携した活用も進むことが予想され、センサがものづくりを大きく左右するキーパーツとして重要性を増しそうだ。

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