JECA FAIR 2016~第64回電設工業展~ 5月25日~27日インテックス大阪で開催

■インフラ支える電設技術の総合展
電気設備に関する機器・資材・工具と施工技術などに関する国内最大の総合展示会「JECA FAIR 2016~第64回電設工業展~」(主催=日本電設工業協会)が、5月25日(水)~27日(金)までの3日間、大阪市住之江区のインテックス大阪3・4・5号館で開催される。出展者数は206社・団体、小間数は597と大阪開催では、過去最大規模となる。海外からの出展社は8社で、内訳は台湾、韓国、中国が各2社、タイ、フランスが各1社。開場時間は午前10時~午後5時(初日は午前10時30分から、最終日は午後4時30分まで)。入場は無料(登録制)。会期中約10万人の来場が見込まれている。

■206社・団体、597小間出展 参加・体験型イベントで学生へアピール

同展は、1957(昭和32)年に第1回「優良電設資材展」として開催され、62年からは「全国優良電設資材展」、75年からは「電設工業展」、さらに2012年から「JECA FAIR~電設工業展~」と名称を変更しながら、電設業界における一大行事として、広く各方面から親しまれており、今回で64回目の開催となる。東京と大阪が毎年交互に開かれていることでも、その評価がわかる。

電設技術は経済・産業活動や国民生活を支える社会インフラに極めて重要な役割を果たすとともに、ICT技術やロボット技術などの最新技術で、明るく、夢ある社会を築いていくことから、今回のテーマは「夢ある社会電設技術で明るい未来!」。

最近の電設資材については、原子力発電所の停止に伴う燃料費増加、消費税引き上げに伴う駆け込み需要の反動や、電気料金の上昇などにより、資材関連の需要がやや伸び悩んでいる。しかし、今後については、中心市街地再開発、大型ショッピングセンターへの需要、燃料電池など新エネルギー関連の需要、2020年の東京オリンピック開催関連施設の需要などが見込まれ、電設資材市場は堅調に推移すると見られる。さらに、HEMS、電気自動車の充電設備、通信事業分野などの伸長も見込まれる。

こうした業界の傾向の中で、例年同様に電力関連機器材、制御機器、機械工具、監視制御装置、受配電盤などの展示が多く見られる。特に省力化、省施工などで、生産性の向上を図るシステムや、スマホ、タブレットなど、モバイル機器に関連した監視システムなどが注目を集めそうだ。

出展製品を分類すると、電線・ケーブル、電線管、配線材料、架線器材、配線器具、照明・照明制御装置、受配電盤、電力関連器材、電力貯蔵関連装置、自家発電装置、新エネルギー設備機器、通信・情報設備・設備ソフトウエア、火災報知設備機器・防犯防災設備機器、避雷設備、機械工具、計測器、電気設備施工会社、施工実績・取り組みの紹介、電気設備に関する研究成果・アカデミックなどの紹介、新聞・雑誌などに分けられる。

これらの製品が、3号館、4号館、5号館のAゾーンからGゾーンまでの7つのゾーンで展示される。

来場者、出展者をサポートするために、主催者コーナーも設けられる。

(1)製品コンクール参加製品と前回受賞製品一覧紹介コーナー(2)協会の活動成果や取り組みを紹介するJECA取り組みコーナー(3)電気設備業界プロモーションコーナー(4)災害時に役立つ電気設備製品を紹介、物産品の販売なども行う東北復興支援・熊本応援コーナー(5)お楽しみ抽選コーナー(6)電設協・資材委員会が運営している電設資機材の取り扱いメーカー・ディーラー情報が検索できる電設資材電子カタログ(JECAMEC)体験コーナー(7)電設協の書籍などを販売する図書販売コーナー(8)来場者アンケートコーナー(9)商談・休憩コーナーなどがある。

特に電気設備業界プロモーションコーナーは学生向けの企画で、若手技術者が電気設備業界の働き方やこれまでの体験などを生の声で語るパネルディスカッション、会員企業のリクルート向けリーフレット・企業案内の配置、ゲーム感覚で電気配線をつなげる学生の参加型・体験型イベントなどで、未来の電設業界を支える人材育成に結び付ける。

抽選コーナーは、会場内に設置されたスタンプポイントで「J・E・C・A・FAIR」の5種類のスタンプを集めて、その抽選券を「お楽しみ抽選コーナー」へ持っていくと、豪華景品が当たる抽選が行える。

■製品コンクールに47社が参加

また、展示だけでは表現しきれない出展製品の魅力や最新技術、ノウハウ、取り組み情報などをセミナー会場で紹介・発表する「出展者プレゼンテーションセミナー」も3日間にわたって開かれる。

「無電柱化システム実現の方法」「新JISが要求するSPDの安全性と選定時のポイント」「小型&軽量リチウムイオン非常電源」など多彩な内容のセミナーになっている。

製品コンクールは、今回が55回目で、電気設備に関連する資機材の進歩改良を促進し、電気設備技術の向上と電気保安の一層の確保を図ることを目的に開催される。今回は47社がノミネートしている。会期中に審査委員による厳正な審査の結果、優秀と認められた製品に国土交通大臣賞などの賞が7月1日(金)の表彰式で授与される。

特別講演会は、25日午後1時30分から、ハイアットリージェンシー大阪で開かれる。元ラグビー日本代表の大畑大介氏が「為せば成る!(誰にでも出来るセルフマネジメント、自己実現法)」をテーマに、未来には自分の努力でつかみ取った“現実”がある、などと語る。

限られた期間内に情報を広く発信するため、公式サイトでは、出展製品情報、会場マップ、イベントなどのさまざまな情報を提供している。出展者は「出展者名」、「製品カテゴリー」から検索できる。製品コンクール参加企業は、トップページに「注目の商品」として掲載、大きくPRされている(http://www.jecafair.jp/2016/)。

なお、5月26、27日には、インテックス大阪2号館で「サービスロボット開発技術展」も開催が予定されている。

【開催にあたって 〜一般社団法人日本電設工業協会 山口 学会長〜】
■電力新時代に対応

今年のJECA FAIRは、206社・団体、597小間と大阪開催過去最大規模の開催となりました。2020年の東京オリンピックに向け、民間投資の拡大やインフラ老朽化対策など建設需要の拡大が想定され、電気設備業界の期待は大きく膨らんでいます。

電力の安定供給は国民生活の重要な基盤です。昨年は、2030年における望ましいエネルギーミックスが発表され、また、本年4月から電力の小売りが全面自由化されるなど、電力新時代の方向性が明らかになってきました。

電設協では、中長期的なエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの比率拡大や効率的なエネルギー利用の促進に向けた諸課題を整理するとともに、電力システム改革の方向性を見据えた新たなビジネスのあり方を検討します。

4月14日に震度7を観測する熊本地震が発生し、現在も余震が続いています。被災された皆さまには心からお見舞い申し上げ、一日も早い復旧、復興をお祈り申し上げます。

JECA FAIRでは、「東北復興支援/熊本応援コーナー」において熊本地震の募金を実施しますので、ご協力のほどよろしくお願い致します。本コーナーでは、国土強靭化への対応として、出展者の協力の下に災害時に役立つ電気設備製品を紹介するとともに、当協会が整理した「災害時に配慮すべき施工のポイント」をパネルで紹介します。

また、東北の物産販売や被災地の食材を使った飲食の提供をするなど、業界を挙げて応援をしていく所存です。

電気設備業界では、人手不足が深刻となっており、現場を支える技術者・技能者の高齢化と若年入職者の減少が顕著です。

当協会では、4月に策定した「新アクションプラン」の最重点項目に「担い手の育成および確保&生産性向上」を掲げました。

その一環として、学生を対象にした「電気設備業界プロモーションコーナー」を設置し、第一線で活躍する技術者に、仕事内容や魅力などをパネルディスカッション形式で語っていただきます。電気設備工事業界を肌で感じていただくための参加型イベント「電気配線ゲーム」を企画しました。多くの若者に電気設備工事業界を「知ってもらい」、入職のきっかけとなればと期待しています。

55回目となる「製品コンクール」には、省力化・効率化など生産性向上に資する製品をはじめ最新技術を駆使した47点がエントリーしています。優秀な製品には国土交通大臣賞、経済産業大臣賞、環境大臣賞などの10の賞を用意しており、これらの新製品は電設技術の礎を築き、新しい時代に向けて幅広く利用されていくものと期待されます。

最後になりましたが、実行委員会の皆さま方には、JECA FAIRの企画、準備段階から大変ご尽力をいただきました。厚くお礼申し上げます。本日から始まる3日間に多くの方々にご来場いただき、本イベントが成功裏に終えることを祈念してあいさつといたします。

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