SAPジャパンの超リアルタイムビジネスが変える常識(1)~Industrie4.0で働く人はもっとハッピーになれる

2015年10月21日

インダストリー4.0によって、働く人はどのように変わるのか?私は三つの変化があると考える。これらの変化が、働く人に仕事の意義を強く感じさせ、働くモチベーションの向上につながるのではないかと思う。

(1)仕事の領域が広がり、より専門性/付加価値の高い仕事に従事できる
SAPのドイツ本社には、「マス・カスタマイゼーション(一品大量生産)」に対応できるインダストリー4.0に関連する製造ラインのデモ機がある。この製造ラインの担当者は、アラートが出た場合の解決や不良製品の分析と対応をしなければならないが、それらに四六時中かかわる必要がなく、他の付加価値の高い仕事にも従事できるようになる。

広く戦略的・専門的な業務を行う機会が増えることは、働く人のモチベーションに良い影響を与える。

(2)ものづくりの現場からイノベーションが起こる
インダストリー4.0が実現されていくと、出荷指示、製造指示、発注指示、実績がバーチャル空間でつながり、どの部門からもアクセスできるようになる。現場の意見を反映させた相互コミュニケーションに発展し、イノベーションを起こしやすい環境になっていく。

インダストリー4.0で起こせるイノベーションには、「プロダクトイノベーション」と「プロセスイノベーション」「ビジネスモデルイノベーション」がある。これらがさまざまな部門から起きていくと、働く人が自身の仕事を会社全体・顧客・社会への貢献として捉えやすくなる。仕事の意義をより強く感じ、モチベーションの向上につながりやすくなる。

(3)日々の仕事の中でさまざまな分野の知識、スキルを習得できる
第1次、第2次、第3次産業革命と、製造業で働く人の働き方は大きく変わり、卓越したものづくりの熟練技術から、機械を効率的に動かすための段取り・指示・監督・正確な操作・メンテナンスなどのスキルになっていった。

インダストリー4.0は、さまざまなデータがつながり、製造プロセスの指示・実行・管理が一元的に可能になる。そのため、専門的なエンジニアリングのスキル、データを活用した発注・製造・出荷などの指示管理スキルなどが必要になる。さらに、リアルタイムで状況を捉え、関係者と連携して作業を進めるスキル、高度な分析・シミュレーションスキルなども必要とされる。

これらの知識やスキルは、個人のキャリアアップや挑戦をサポートしてくれる。これは働く人個人のモチベーションにもつながる。

■SAPの人材育成支援
SAPはインダストリー4.0の人材育成に取り組んでいる。

若い人材の育成のために「SAP University Alliance Industry4.0」というプログラムをドイツでスタートさせた。製造業におけるビッグデータ活用度やクラウド対応力の分析、インダストリー4.0イベントへの参画、クラウドソーシングの取り組みへの参加などを盛り込んでいる。

「The Academy Cube」では、インダストリー4.0とSTEM(Science、Technology、Engineering、Mathematics)にフォーカスした教育とジョブマッチングを統合したプラットフォームを提供している。ITベースのビジネスプロセスマネジメント、ロジスティクスプロダクトオプティマイゼーション、ビッグデータ分析などのさまざまなトレーニングも提供している。

■働く人がハッピーになれるインダストリー4.0
「来るのが楽しい会社をつくろう」三つの変化によって、働く人がこう思える会社が多くなるかもしれない。働く人のモチベーションやコラボレーションが促進され、より多くの企業がイノベーションを生みだし、社会に貢献していく理想的な社会になっていく。

ひと昔前には想像もできなかった働き方が、インダストリー4.0によって実現するのも遠い未来ではない。SAPもインダストリー4.0に貢献できる人材の育成に引き続き力を入れていきたい。
(SAPジャパン大西嘉明)

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