「インダストリー4.1J」実証実験プロジェクト 14企業・団体が開始

あらゆるものがインターネットにつながるIoT時代の到来を前に、製造業を中心に第4次産業革命とも言われる「インダストリー4・0」の構想が提唱されている中で、制御のセキュリティ面の強化を図る観点から、バーチャル・エンジニアリング・コミュニティ(VEC)や、NTTコミュニケーションズ(NTT Com)など、14の企業・団体が「インダストリー4・1J」の実証実験プロジェクトを、3月10日から開始した。工場、電力プラント、ビルなどの生産性向上や保全業務の効率化をセキュアに実現できる環境を目指し、クラウド・現場間のセキュアな通信に必要な要件や、監視システムの正常な稼働に必要な要件などを実証する。

実証実験では、セキュリティ品質に優れた最新の通信プロトコル「OPC UA」を採用して、現行の制御装置に適用した場合でも正常に通信ができることを実験する。

また、「インダストリー4・0」で望まれているシステムでの異常検知やクラウドへの現場データのミラーリング(バックアップ)をリアルタイムに実現するために、クラウドと現場間で現場からの大量のデータを高速に通信し合うかを、クラウドや制御システムに大容量かつ高速なデータを実際に流通させて、クラウドと現場間で求められる接続構成及び仕様を確認する。

同時に、VEC会員企業から提供される監視システムをクラウドに初めて導入し、該当システムが実際にクラウド(「Bizホスティング」)上で稼働するのかも実験する。

さらに、実際に現場で運用されている制御ロジックを監視システムに組み込み、システムが正常稼働状況をシミュレートできるかどうかや、異常の原因が機械のバルブの故障なのか、外部から侵入したマルウエアなのかも試す。

同プロジェクトの成果は一般公開され、VEC会員企業をはじめ産業分野に携わるすべての企業が活用できる。

これにより、例えば世界中の工場の正常な稼働状況をクラウド上の監視システムでリアルタイムにシミュレートし現場の状況と比較することで、現場を制御するシステムの異常な運転状況を把握したり、化学プラントでの現場のやり取り・操作ログデータなどをクラウド上にリアルタイムにバックアップすることで、万一現場で爆発事故が発生し事故発生前の記録が一切焼失しても、クラウド上の記録をもとに事故の原因を迅速に究明する、といったソリューションが実現可能となる。

このほかの参加企業は、アズビル、アズビルセキュリティフライデー、OSIsoftジャパン、サン電子、ジェイティエンジニアリング、シュナイダーエレクトリック、立花エレテック、デジタル、ベルチャイルド、富士電機、マカフィー、村田機械、安川電機。

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