日本配電制御システム工業会 ソーラーシステムメンテ事業を新ビジネスに 「ガイドブック」作成から始動

日本配電制御システム工業会(JSIA、丹羽一郎会長)は昨年4月、50kW以上の産業用ソーラーシステムの保守事業に参入できるかどうかを検討するため、「産業用ソーラメンテナンス研究委員会」を発足させた。JSIAでは、将来的に産業用ソーラー分野において、メンテナンス事業の本格的なビジネス化を目指している。同研究委員会の寺田哲也委員長(関西電機工業社長)に、委員会の活動状況や、本格的なビジネス化に向け、今後どのような活動を行っていくかについて聞いてみた。

-この研究委員会を立ち上げた狙いは何ですか。
寺田委員長
太陽光発電システムは、システムのほとんどが当工業会が専門とする「盤」に関わる部材で構成されており、我々の技術と知識が有効に発揮・活用できる分野である。太陽光発電システムは、システムに不良や故障が発生した場合、発電量や発電効率が低下し、電力を売る側の売り上げや利益が減る要因となる。さらに最近の顧客は、メンテナンスを行うことで発電量が確保できるということが最大の関心事になっている。こうしたメンテナンス事業はJSIAとして新しいビジネスに展開できるので、私が中心となり研究委員会設立の提案を行い設立に至った。メンバーは関西電機工業、共立電機製作所、白川電機製作所、タケモトデンキ、田原電機製作所、徳山電機製作所、内外電機、日本電機工業会の8社・団体で、さらに日本大学理工学部の西川省吾教授に顧問をしていただいている。

-メンテナンスを行わない場合、発電量の損失は大きいのですか。
寺田委員長
メンテテンスを行わないと発電量は確実に損失が発生する。例えば、10kWクラスの発電システムなら損失はわずかだが、100kWクラスになると10kWに比べ損失は10倍、さらに1メガWクラスになると損失は100倍になり、かなりの損失につながるので、メンテナンスが重要になってくる。メンテナンス費用は初期投資としてかかるが、最終的に売り上げ・利益の向上につながる。さらに、日本は台風や落雷など自然災害が多く、これらが原因でシステムが被害を受けるケースも多く、トラブル回避の面でもメンテナンスは必要だろう。

-実際のメンテナンス業務はどのような体制で行うのですか。
寺田委員長
JSIAの会員は約340社あり、電流センサなどが搭載されている接続箱や、太陽電池故障箇所特定装置など、様々なメンテナンス装置を持つメーカーがたくさんある。顧客の状況に合わせ、各メーカーの製品を提案していきたい。

-具体的な活動内容は。
■月1回委員会を開催
寺田委員長
昨年6月に第1回の委員会を開催、以降月1回のペースで委員会を開催しており、昨年10月17日に中間報告を行った。最終的に今年3月に開催されるJSIAの理事会で、メンテナンス事業をビジネスとして推進するかどうかを判断する計画である。

具体的な活動では、産業用ソーラーシステムの現場に即したメンテナンスを行うための、「産業用ソーラーシステムのメンテナンス保守・点検ガイドブック」を作成するところからスタートし、最終的には、「顧客情報管理用データベース」の作成などを行う方針である。

ガイドブックについては、JEMA(日本電機工業会)のJEM―TR228「小出力太陽光発電システムの保守・点検ガイドライン」を基本ベースに、JPEA(太陽光発電協会)の住宅用保守・点検ガイドライン、中部電気保安協会の取り組みなどを参考に点検項目の検討を行った。この結果、太陽光アレイ、接続箱・集電箱、PCS(太陽光発電用パワーコンディショナ)、計測装置の項目に分け、各委員に分担して検討を行うなど、作成作業は順調に進んでいる。現在は製品部材の表記の統一などの検討を行っており、1月30日の委員会で最終の詰めを行う予定である。

顧客のデータベースについては、顧客の氏名・住所、顧客が保有するシステムの設計図面やモジュール/パワコンの仕様書、施工業者などを項目にしようと考えている。

このほか、発電量の確認と確保のためには、PCSや計測装置・メンテナンスツール情報が重要なので、PCSメーカーとの意見交換や、遠隔監視やストリングス監視の資料や測定ツール資料などの検討を行っている。

また、関連団体との協業やコラボを推進するほか、計測装置メーカーとも手を組んでいきたい。

-今後、どのような形でビジネスにつなげていくのですか。
寺田委員長
これまで、日本の電気設備の保守や修理については、当工業会のメンバーが多く携わってきた。太陽光発電の保守・点検においても、顧客が安心して任せられるのは当工業会だろうと自負している。電気の全量買取制度ではトラブルがあった場合、数時間以内で対応できるようメンテナンス体制などを申請する必要があり、こうした案件もJSIAのメンバーで対応できる。

さらに、今後はストリングス監視に後付けできるシステムの需要増加も見込まれる。こうした新しい需要にも対応できるよう、当工業会の技術委員会やマイクログリッド研究委員会などの協力を得ながら、この研究委員会を実動部隊にし、新しいビジネスとして創造できるよう努力していきたい。

【寺田哲也委員長のプロフィル】
寺田委員長は、設計から施工まで未来志向の太陽光発電システムを提案する、関西電機工業(本社=大阪府東大阪市)の代表取締役社長。

子供の頃から電気が好きで、小学生時代には真空管でラジオを作り、親戚から電気製品の修理をよく頼まれたという。高校時代は、自作で専用アンテナを製作するほどアマチュア無線の世界に入り込み、世界中の人と交信した。大学は機械科に進んだが、電気の世界から離れることはできず、電気機器の世界に戻ってきたという。

読書が趣味で、ウイスキーのグラスを傾けながらジャズやブルースを聴くのが好きという趣味人でもある。また「最近は忙しくて行けないが、天気の良い日にゆっくりとゴルフを楽しみたい」と微笑む。

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