2014年工業会年頭所感 一般社団法人 日本ロボット工業会 津田純嗣氏

新春を迎え、謹んで新年のお慶びを申し上げます。

2013年を振り返ってみますと、世界経済は、欧州の債務問題に端を発した経済不安が継続するとともに、アジアでは中国を中心に拡大テンポが鈍化するなど、全般的に停滞の1年であったといえます。

このような環境の下での13年のロボット業界は、年の前半は、特に輸出が出荷の7割近くを占める中で、最大の需要先である中国市場での回復の遅れがあったことや欧州市場が低調であったことなどの影響で受注、生産、出荷ともマイナス成長が続き、厳しい状況が見られました。しかしながら年後半より、国内外での自動車関連、さらには海外での半導体の分野等での受注が大幅に回復してきたことで、生産や出荷も徐々にプラス成長を示すなど、確実に回復傾向にあり、12年並みになったものと見込んでいます。

14年の今年は、海外では欧州の債務不安や米国の財政緊縮策などでの不透明感はあるものの、緩やかな持ち直し傾向や中国の景気刺激策による効果で海外経済の改善が期待されるほか、まだウエイトは小さいながら、食品、医薬品、化粧品等の3品産業などの新しい分野での需要も確実に増加しています。

また、昨年12月に「生産性向上設備投資促進税制」を盛り込んだ産業競争力強化法が通過したことで、今年から国内の設備投資が大いに促進されることを期待しており、14年のロボット生産額は、6000億円台にまで回復する見通しです。

このようななか、当業界としては、単に政策効果のみならず、中長期的視点に立ち、業界の活性化を図る必要がありますが、以下の3点を重点項目として取り組む所存です。

第一は「市場拡大に向けた取り組み」です。

市場拡大に向けては、これまでの自動車、電気・機械分野に加え、新規利用分野の開拓に向けた利用技術の開発が重要となっていますが、昨年開催の国際ロボット展でも、産業用ロボットゾーン各社にはその取り組み意欲が顕著にうかがえました。また、今後その市場ニーズと潜在需要が大いに期待されるサービスロボット分野においても、国が本格的に導入促進を講じはじめた福祉介護分野、社会インフラのメンテナンス、さらには災害対応の分野で大きな期待が寄せられており、当会が事務局を引き受けている「ロボットビジネス推進協議会」とも連携しながら、その産業基盤のインフラ強化、関連産業の振興の推進に努めることとします。

第二は「産学等の連携等を通じた研究開発の推進」です。

拡大する新興国市場の獲得や潜在市場の顕在化を図るうえでもイノベーションを通じた市場の拡大が不可欠となっています。特に、欧米先進国は勿論のこと、韓国、中国などの新興ロボットメーカの躍進もみられ、スピード感と差別化での技術開発が求められています。技術開発のスピード化と効率化に向けては、自前主義にこだわることなく、産産及び産学連携なども含めた新たなイノベーションが必要と思われ、業界としても産学連携を通じて研究開発を推進することとします。

第三は「国際標準化の推進、国際協調・協力の推進」です。

国際標準については、欧米が市場獲得の手段として戦略的に取り組んでいますが、我が国においても産業用ロボットは勿論のこと、今後その市場拡大が期待されるサービス分野でも官民挙げての取り組みが重要と思われ、国際標準化活動に対して積極的に取り組むこととしております。また、既に我が国のロボット出荷の7割程を輸出が占めるなかで、グローバル競争が更に熾烈になると思われ、国際的な摩擦回避等を図るうえでも従来にも増して国際協調・協力を推進していくことが重要であり、様々な国際交流の場を通じて協力・協調を図っていく所存です。

以上に加え、当会では本年6月に「実装プロセステクノロジー展」を開催するほか、引き続き国際交流、市場調査、技術振興等の各事業を意欲的に展開する所存です。

引き続き関係各位の一層のご支援とご協力をお願い申し上げますとともに、会員各位のご活躍とご発展を祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

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