ソフトウエア会社がハードウエア事業に参入何故か?

◆いわてものづくり・ソフトウエア融合テクノロジーセンター

組込みソフトウエアは最もハードウエアと密接している。岩手県における組込み技術の普及・高度化、人材の育成・蓄積、産業の集積等を促進するため、県内産学官の実務者の人的ネットワーク組織として「組込みシステムコンソーシアム」を2008年に設立し、2011年にはハードウエアとソフトウエアの融合を目的とした立派な「いわてものづくり・ソフトウエア融合テクノロジーセンター」を岩手県、岩手県立大学、組込みシステムコンソーシアムが提案して開設した。

・ソフトウエアとハードウエアの高度技術を基盤とする岩手発のイノベーション

・高度開発型産業集積の形成で、ものづくり関連企業の生産性向上、品質向上

・ものづくり関連企業の高付加価値商品の研究・開発および他産業分野への展開
◆ARグラスはiPhone、iPadの次になるか?

ゲーム、ネットワークコンテンツのユビキタスエンターテイメントの清水亮社長(東京)は、「物理的な同軸ケーブルがなければ、インターネットは生まれなかった。ほとんどの場合、進化とはソフトウエアでなくハードウエアが先行する」と言っている。また「最高のソフトウエア・エンジニアが優秀なハードウエア設計者に転向するのは珍しくない」とも言っている。たしかにLinuxの開発者リーナス氏はCPU開発会社に在職していたし、日本のRuby開発者のまつもとゆきひろ氏は組込み用ハードウエアmrubyを開発し、さらに専用のCPU開発まで計画しているようだ。2012年4月4日にGoogleが、ウエラブルコンピュータ開発の最初のテーマ:ARグラス(Augmented
Reality/拡張現実グラス)を公表した。同社は「テクノロジーは人のためにあるべきと考えている。必要なときにそこに現れ、不必要なときには消え去るべきだ」。ARグラスは写真を撮りたいときにポケットに手をいれずにARグラスのボタン(スイッチ)を入れるだけでよいし、今見ている景色に気温や天気予報を重ねて表示したり、ウインクして写真を取ったり、行き先の案内地図を表示するなどGoogleグラス試作品ができる。このようなウエラブルコンピュータはiPhone、iPadの次になるだろうか?
◆IBMは逆にソフトウエア事業重視で成功

IBMの直近の売上高の約60%はソフトウエア(サービス)事業で、2013年の戦略として、ビッグデータ、ソーシャルビジネス、セキュリティ、モバイル、及びPure
Systemsの5つを挙げた。またインターネットと同じくらい大きなビジネスのモバイルを重視している。

Pure
Systemsとは、蓄積してきたインフラやアプリケーションの知識・技術・経験をベースに最適なハードウエアとソフトウエアの構成を定義した「パターン」により企業データセンターやクラウド基盤にしている。IBMの2013年1~3月の業績は予想を下回ったが、ソフトウエア(サービス)事業は業績を改善している。

(おわり)
(筆者=FAラボ代表・松本重治氏)

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