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ロータリーエンコーダー 生産分散化、専用機種による差別化各社、新たな取組み志向 生産分散化、専用機種による差別化各社、新たな取組み志向 生産分散化、専用機種による差別化各社、新たな取組み志向に 市場成長のかぎ握る「海外販売」円安傾向が追い風 小型・薄形化、高分解能進む

ロータリーエンコーダー市場が再び回復基調に入ろうとしている。主力需要分野の工作機械が受注回復傾向を見せ、半導体・液晶製造装置もプラスが見込まれている。ロボット市場も国内外で増加しつつあり、こうした装置・機器に一体となって使用されることが多いサーボモーターの生産も調整段階から増産体制に移りつつある。製品は、小型・薄型化と高分解能化ニーズに応えた開発が依然継続しており、加えて防水・防塵や衝撃など耐環境性の向上も著しい。分解能を可変できるロータリーエンコーダーも発売されるなど、市場拡大に向けた努力が続けられている。ただ、市場のグローバル化とともに販売競争も激化しており、特にアジア市場の拡大で中国などのローカルメーカーもコスト競争力が高まっている。生産の国内外での分散化や専用機種による差別化など、新たな取り組みが志向されている。ロータリーエンコーダーは、モーター軸の回転量、回転角度、回転位置などの機械的変位量をデジタル信号に変換するセンサーのひとつだ。このデジタル信号を処理することで、位置、速度などが計測・検出できる。主にサーボモーターなどと組み合わせて位置決め、速度制御などに使われることが多い。工作機械やロボット、半導体・FPD(フラットパネルディスプレイ)製造装置などをはじめ、バルブ、エレベーター、情報通信機器、事務機器、医療機器、建設機械、自動車など幅広い分野で使われている。

主力需要分野である工作機械やロボット、半導体・FPD製造装置などの市場は、2012年は全体で約10%前後減少したことで、ロータリーエンコーダーもその影響を受けている。
外需が牽引、回復基調に

13年は、中国や北米市場を中心に外需が牽引する形でこれらの市場全体が回復基調に入りつつある。ロータリーエンコーダーと一体で使用されるサーボモーターの生産は、大手メーカーを中心に、今年4月頃は減産体制であったが、現在は減産から増産の方向に生産をシフトしている。この背景には北米市場の好調が継続していることに加え、停滞していた中国市場も回復基調が見えてきたことで、需要増に備えた見込み生産を取り始めていることがある。

中国やアジアの新興国の一部では人件費の上昇に対応して、ロボットなどを導入した自動化生産にシフトする傾向が強まっており、ロータリーエンコーダーにとっては追い風になっている。

国内のロータリーエンコーダーの市場規模を正確にとらえた統計が現在のところないため推定の域を出ないが、12年で230億円前後と見られる。リーマンショックで市場は大きく落ち込んだが、10年、11年と徐々に回復して、ほぼリーマン前に並ぶところまで回復を見せている。ただ製品単価の下落もあり、数量の伸びに比べ金額の伸びは低く、ロータリーエンコーダーメーカー間のシェア争いは激化している。
専業メーカーほぼ集約

ロータリーエンコーダーの専業メーカーは、ここ数年でほぼ集約されつつあり、国内メーカーが10社前後、海外も有力メーカーで5社前後となっている。これに、中国のローカルメーカーもコストを前面に出して販売を強めており、日本や欧米メーカーと競合しつつある。中国製は工作機械や半導体・FPD製造装置、ロボットなどハイテク用途では、まだ機能的に劣るものの、精度をあまり求めない用途では採用が増えつつある。

ロータリーエンコーダーの代表的なアプリケーションは、多関節ロボットの制御や半導体ウエハの移載ロボット制御、工作機械のマシンツールの割り出し、エレベーターの速度・位置制御、病院のCTスキャナーのベッド位置決めなどが挙げられる。

また、移動体通信基地局のエリアコントロール、電気自動車などにおける車載機器のコントロール、クレーンなど建設機械の旋回座コントロールなどにも応用されている。

ロータリーエンコーダーは、検出方式で大きく光学式と磁気式に分かれ、市場では約8割が光学式、磁気式が2割となっている。光学式はノイズなどに強く、磁気式は油・水など耐環境性に強いという特徴を持っている。

さらに、位置検出方法で、絶対値のアブソリュート式と相対値のインクリメンタル式がある。インクリメンタル式と、アブソリュート式それぞれに特徴があることから、用途別に使い分けがされている。

回転角度をアブソリュートコードで出力し、絶対位置を直接検出できるアブソリュートの機能を求める用途が徐々に増えているが、コスト的にもアブソリュートはデータ量が多くなることもあり高くなる傾向がある。これに対してインクリメンタル式は、パルス数をカウントして相対位置を算出するもので、速度制御や高速制御用途に適している。

最近のロータリーエンコーダーは、小型・薄型化、高分解能化、安全対策機能などが進んでいる。

高分解能化では、分解能の設定をユーザー側で自由にできる機種もあり、パソコンとつないで1刻みで設定が可能で、使用用途に応じた制御が出来る。小型化では外形サイズφ18ミリ製品が発売されて、小型化に拍車がかかっている。
安全用途狙った機種増える

機械安全や防爆対応など、安全用途を狙った機種も増えている。機械安全では、IEC61508のSIL3に準拠した高い安全性を持つロータリーエンコーダーは、パイプを切断する鋸の回転運動検出などマシン安全操作のアプリケーションに対応している。防爆タイプのロータリーエンコーダーは、爆発危険領域でもロータリーエンコーダーの使用が増えつつあることに対応している。

さらに各種フィールドネットワークに対応した製品も出てきた。他のFA機器と同様に、ロータリーエンコーダーもオープンな通信環境で使用できるように通信機能を内蔵して、全体の制御を容易、かつトータルコスト低減につなげようというもの。

ロータリーエンコーダーのコスト低減と、信頼性向上のために部品点数を減らす取り組みが進んでいる。

ロータリーエンコーダーの心臓部ともいうべき半導体部分をカスタムICからASICにすることで半導体の共通化を図って、自己診断機能の内蔵といったインテリジェント化と、トータルコストダウンと長期安定供給を実現しようという動きも見られており、将来的にはワンチップエンコーダーなどの開発も志向されている。
高機能品は国内が主流

ロータリーエンコーダーの市場は、メーカーの寡占化が進む一方で、用途の専用化で特色を出す取り組みが著しい。コスト低減を狙いに中国など海外生産も増えているが、高機能品や特注品などの生産は依然国内が主流となっている。

直接・間接を問わず海外販売の動向がロータリーエンコーダーの市場の鍵を握っている。円安傾向で輸出環境は以前に比べ好転しており、海外向け販売は追い風になっている。13年は市場拡大への大きなチャンスの年となることが期待される。

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