ソリューション提案を強化熱対策で各社独自の工夫キャビネットの標準化も推進

粉体塗装は、樹脂と顔料を練り込んでクレヨンのように固形にしたものを細かく砕いてサラサラの粉末状にした塗料を被塗物に付着させ、これを焼付けして塗膜を形成する塗装方法。耐久性(耐候性・耐塩性)に優れた高厚膜が得られ、塗料は回収して使えるため省資源、しかも有機溶剤を含まないため環境にやさしい塗装となる。

用途別では、(1)配電・制御盤用、コントロール盤、自立盤、計器盤・電力メーター収納スイッチ・仮設・ホーム盤用などの盤用(2)電話機器・TV機器収納、通信機器収納用、HUBボックス、光ブロードバンド機器収納用、BBキャビネットなどの情報通信用(3)メーターボックス、電話端子収納などのプラスチック製ボックス(4)ケーブル接続用端子を収納する中継ボックスなどに分類される。盤用としては、熱機器収納用、換気スリット付きなどがあり、前面枠とボデーの段差がなく、4段曲げの前面枠によりひずみに強く堅牢なタイプ、軽量で施工が楽に行えるタイプなどがある。また、床面に固定して設置する自立形、電柱などの柱に設置するポール取付形などがあり、設置も自在に行える。情報通信用としては、直接雨のかかる場所や直射日光が当たる場所用、光ブロードバンド機器収納用、耐衝撃性・耐湿性に優れ、シリンダー錠による施錠が可能なシリンダーキー付きなどがある。また、企業の重要機密を管理するデータセンター内の機器は、ブレードサーバーの普及に伴い、高密度化され非常に電力のかかるものが増えており、こうした機器に対応できるラックの需要も高い。

プラスチック製ボックスには、耐衝撃性・耐湿性に優れ屋内・屋外を問わず使用可能な防水・防塵構造のものがある。

中継ボックスには、鋼索機械制御、開閉装置、配電、計装関係などのケーブル接続用端子が入るが、試験を積み重ねることで品質を高め、ボックス本体と端子ユニットを一体構造とした基本設計のものなどがある。保護構造はIP65、IP67などが中心。こうしたキャビネット・ボックス・ラックの多機能化、高機能化に対応し、安心して使用してもらうために、各社では、防塵・防水(IP性能試験)、耐熱・耐寒・耐震、EMC・ノイズ関係試験など、さまざまな試験評価を経て製品を生み出している。

キャビネット及び関連パーツを製造販売する会社が中心となって設立されているキャビネット工業会では、キャビネットの標準化を推進しているほか、地球環境問題へ国際的関心の高まる中、有害物質による環境汚染への取り組みを指針として明確にし、地球環境負荷軽減を推進することを目的に環境指針も定めている。

キャビネット・ボックス・ラックは、筐体単体だけでは、なかなか付加価値を高めづらく、価格競争になりがちである。このためメーカーは、トータルシステム受注やソリューション提案活動を強めている。キャビネット・ボックス・ラックを使用する周辺環境対策が年々厳しく過酷になってきていることがある。

情報通信分野の大きな市場となっているデータセンターはその典型といえる。今回の東日本大震災発生で、企業の情報管理のあり方に大きな教訓を残した。企業のBCP(事業継続計画)策定上からも、工場やコンピューターシステムの分散配置の重要性が指摘されている。

データセンターはこうした企業の危機管理対応の面からも分散して配置していくことが重要となっており、全国各地で旺盛な建設が継続している。建設投資やランニングコストを抑えるためにコンテナ型のデータセンターも提案されている。データセンターは、防犯上のセキュリティ対策に加え、熱対策、地震対策、ノイズ対策など多岐にわたる信頼性が求められる。しかし、一方で省エネなどの環境面への配慮も必要なことから、いまコンピューターサーバーメーカーやラックメーカーが最も開発に力を入れているのが、この部分となっている。コンピューターサーバーの低消費電力化、ラックシステムの効率的な冷却方法への取り組みが進む中で、筐体メーカー各社は冷却方法の開発に意欲的に取り組んでいる。ファンだけでなく、クーラー、水冷など冷却方式には各種あるが、それぞれの方式に特徴があることから、用途に応じて使い分けがなされている。同じ冷却方式でも、効率的な冷却のために、局所的冷却や2方式の併用など工夫も進んでいる。

キャビネット・ボックス・ラックが使用される分野は、電気の安定供給、情報通信・ネットワーク、システム制御・デバイスの分野など幅広く、今後も大きな需要の伸びが見込まれる。

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